2018年にビットコインから分裂したビットコインプライベート(BTCP)。
それまでのフォークコインと異なる点はビットコインとZclassicの2種類の仮想通貨から同時に分裂し、結合してできた仮想通貨という点です。
この記事ではビットコインプライベート(BTCP)がどのような特徴を持つ仮想通貨なのか、その将来性や購入方法まで詳しく解説していきます。
目次
ビットコインプライベート(BTCP)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
2018年5月時点でビットコインプライベート(BTCP)が売買可能な国内の仮想通貨取引所はありません。
BTCPを取り扱っている海外の仮想通貨取引所は6つほどありますが、その中でオススメできる取引所はHitBTCです。
HitBTCでの購入をオススメする理由

CoinGeckoより引用
HitBTCは記事執筆時点で全取引所の取引高ランキングで12位の仮想通貨取引所です。
BTCP売買の約4分の3がHitBTCで行われていることと、BTCPを取り扱っている仮想通貨取引所の中で最も使いやすいことからHitBTCでのBTCPの購入がオススメです。
その他の取引所はBTCPの取引高が少なかったり、取引方法が複雑だったりするためオススメできません。
HitBTCはBTCP含め有望なアルトコインを取り扱っていますので、目当てのコインを購入したらウォレットへの送付をオススメします。
HitBTCはイギリスに登記され2013年から運営されていますが、運営者の詳細情報は不明で管理画面の内容変更が事前告知なしに行われたりすることがありました。メインの取引所として利用したり、仮想通貨を預けっぱなしにできるほど信頼できる取引所ではないと考えていますので十分注意してご利用ください。
ビットコインプライベート(BTCP)の将来性は?これから価格は上がる?
ビットコインプライベート(BTCP)の時価総額ランキングは記事執筆時点で48位となっています。
ハードフォークから2ヵ月強でTOP50まで上がってきていることから、BTCPは期待されている仮想通貨であるとわかります。
筆者はBTCPが2018年中に時価総額ランキング20位以内に入ると考えていますが、その理由を3つにわけて解説します。
- BTCPはBTCとZclassicの特徴を組み合わせた通貨
- サトシ・ナカモトの思想の実現を目指している
- BTCPの開発運営コミュニティが信頼できる
BTCPはBTCとZclassicの特徴を組み合わせた通貨

BTCPはビットコインとZclassicというZcashから分裂したアルトコインを合体させた仮想通貨です。
ハードフォークと言えばビットコインキャッシュのようにある1つの通貨から分裂して誕生するのが普通です。
しかしBTCPの場合は、2つの通貨を同時に分裂させ1つの通貨として誕生させるフォークマージ(fork-merge)という方法で行われました。
結果としてBTCPはビットコインのオープンソースで献身的なコミュニティとZclassicの「しました。 」により高いプライバシー性を獲得
BTCPを支えるコミュニティと
サトシ・ナカモトの思想の実現を目指している
BTCPのホワイトペーパーにはこのように書かれています。
世界中のチームメンバーが毎日、このプロジェクト成功させるために協力しています。彼らはなぜそうしているかというと、サトシが描いた速く、低料金で、分散されていて、プライベートな取引が可能という金融的自由のビジョンを、このプロジェクトが実現すると信じているからです。
BTCPのホワイトペーパーより引用
BTCPはホワイトペーパーの中で、ビットコイン創設者のサトシ・ナカモトが思い描いた理想を実現する真のビットコインになると宣言しています。
ビットコインキャッシュのハードフォークを皮切りに、ビットコインゴールド、ビットコインダイヤモンドとビットコインから分裂したコインが次々と誕生し、2018年中には50以上のビットコインから分裂した通貨の誕生が予想されています。
そしてそのほとんどはビットコインのネームバリューを利用した金儲けのためと考えられています。
BTCPはこれらとは異なり真のビットコインにふさわしい特徴をそなえています。
- ビットコインより4倍以上も送金が速い
- ASIC耐性を備えたマイニングアルゴリズムを採用し、マイナーの分散化を実現
- プレマインをしないなど完全に非中央集権的な運営方法を実現
とくに非中央集権的な運営方法を実現している点は、今後雨後の竹の子のように生まれるビットコインの分裂コインとは一線を画すものになります。
BTCPの開発運営コミュニティが信頼できる
BTCPはハードフォーク時に開発者や運営母体にプレマインを行っていません。
プレマインとは新しく発行する仮想通貨をリリースする前に、一定数の仮想通貨を開発者自身に割り当てることです。
ビットコインゴールドはBTCPと同じようにASIC耐性を備えた
しかしビットコインゴールドは発行時に密かにプレマインを行ったとして非難を浴びることとなりました。
プレマインを行うということにはメリットもあります。
しかしデメリットも大きく、主に「開発と運営を行う中心的な組織がいる分散化されていないコミュニティ」「特定の人に事前にコインが付与される不公平な通貨」という真のビットコインになるための障害が生まれてしまいます。
BTCPは「プレマイン」なしで発行されたことはもちろん、「オープンソース」かつ分散された「コミュニティ」によって開発されています。
今後増え続けるビットコインのハードフォークコインには真のビットコインとなると宣言するコインもあると思いますが、サトシ・ナカモトの理想を実現するという点においてBTCPに匹敵するコインが誕生する可能性は低いと考えられます。
記事執筆時点でビットコインより優れた機能を持つ仮想通貨は多く存在しますが、それでもビットコインが支持されているのははじまりの仮想通貨でありサトシ・ナカモトの思想が反映されているというストーリーがあるということもひとつの理由になっていると考えられます。
そしてBTCPには真のビットコインとなるための思想と機能、コミュニティが存在しています。BTCPの今後に期待せずにはいられません。
ビットコインプライベート(BTCP)とはどんな仮想通貨?
- 公開日は2018年2月28日
- 通貨単位(シンボル)はBTCP
- 発行上限枚数は2100万BTCP
- マイニングアルゴリズムはASIC耐性のあるEQUIHASH
- ブロックサイズは2MB
- ブロック生成時間は2.5分間毎
- ZclassicはZchashから分裂した仮想通貨
- BTCP専用の公式ウォレットが存在する
BTCや分裂したBCH/BCG/BCDなどとの違い
BTCPとビットコインやビットコインキャッシュなどとの違いを表にまとめました。
項目 | BTC | BCH | BCG | BCD | BTCP |
最大発行量 | 2100万枚 | 2100万枚 | 2100万枚 | 2.1億枚 | 2100万枚 |
マイニングアルゴリズム | SHA-256 | SHA-256 | EQUIHASH | OPTIMIZED X13 | EQUIHASH |
マイニングマシン | ASIC | ASIC | GPU | GPU | GPU |
ブロックサイズ | 1MB | 8MB | 1MB | 8MB | 2MB |
ブロック生成時間 | 10分間 | 10秒〜2時間 | 10分間 | 10分間 | 2.5分間 |
難易度調整 | 2週間毎 | 2週間毎 | ブロック毎 | 2週間毎 | ブロック毎 |
プライバシー | ✕ | ✕ | ✕ | △ | ◯ |
プレマイン | なし | なし | あり | あり | なし |
発行上限枚数は2100万BTCP
BTCPの発行上限枚数は2100万枚とBTCや他のコインと同じ枚数です。
異なる点はBTCPはハードフォーク時の段階で1850万枚が採掘済みとなるため、その他のコインよりも発行済の枚数が多いことです。
マイニングアルゴリズムはASIC耐性のあるEQUIHASH
BTCPのマイニングアルゴリズムはEQUIHASHです。
このアルゴリズムはビットコインゴールドでも採用されています。
特徴はASIC耐性がありGPUでのマイニングに最適化されていることです。
現時点では大手マイナーはASICの開発やマイニングをしているため、GPUは十分に確保できておらず、結果として個人や小規模マイニングプールにも採掘可能な状態となりマイナーの分散化が実現できています。
ASICというのはマイニングに特化している集積回路(ICチップ)のことです。汎用型のCPUやGPUと違って特定の計算内容を効率よく処理するために作られています。仮想通貨で出てくるASICはPoWのマイニングに特化した集積回路のことを指しています。
ブロックサイズとブロック生成時間
BTCPのブロックサイズは2MBとビットコインキャッシュやビットコインゴールドの8MBと比べて少ないように見えますが、ブロック生成時間が4分の1の2.5分となっているため実質的な処理能力は同程度となります。
ZclassicはZchashから分裂した仮想通貨
BTCPはビットコインとZclassic(ジークラシック)がフォークマージしたコインです。
ZclassicはZcash(ジーキャッシュ)からハードフォークして誕生し、記事執筆時点での時価総額ランキングは224位と決して注目度の高い仮想通貨ではありません。
ハードフォークの理由は、Zcashにはマイナーがマイニングしたコインの20%がコア開発チームや初期投資家への報酬として分配される仕組みがあり、それを辞めるためにハードフォークが実行されました。
しかし開発者報酬のないZclassicの開発に協力するエンジニアは少なく、開発は滞るようになりました。
BTCP専用の公式ウォレットが存在する
BTCP Electrum Wallet Betaというウォレットが開発されています。
記事執筆時点ではまだリリースというわけではないですが、Githubからダウンロードしてウォレットを利用することができます。
またハードウォレットの
ビットコインプライベート(BTCP)の良い点(メリット)
によってプライバシーが完全に保護される
ZclassicはZcashと同じ
zk-SNARKというのは「Zero Knowledge – Succinct Non-interactive ARgument of Knowledge」の略になるのですが、ゼロ知識証明とシールドトランザクションがzk-SNARKの基本概念となっています。
ゼロ知識証明とは簡単に言えば「情報の内容を相手に公開しなくても、自分はその情報自体を正しく知っていることを証明する技術」です。
仮想通貨的な例えで言えば「自分の秘密鍵を相手に教えなくても、自分が正しい秘密鍵を持っていることを相手に証明する技術」ということになります。
またシールドトランザクションとは「アドレスAからアドレスBに◯◯BTCP送金した」という情報が、第三者から見えない状態で取引(トランザクション)を可能にします。
しかしトランザクションが見えなければその取引が正しく行われているか証明することができませんが、ゼロ知識証明を活用することでトランザクションが見えなくてもその取引の正しさを証明することが出来るようになります。
ゼロ知識証明とシールドトランザクションによってBTCPは完全な匿名性を獲得した仮想通貨となっています。
BTCと同じように完全に非中央集権的な運営方法
BTCPの開発・運営方法は非中央集権的な方法で行われています。
- 開発者へのプレマインなし
- ソースコードはGithubですべて公開
- 約150人のエンジニアなどの協力者達がいる
- 寄付によって運営資金を捻出している
- 透明性の高い財務管理団体
コミュニティ主導と言われる仮想通貨、プロジェクトは数多くありますが、BTCPは非中央集権的な仮想通貨プロジェクトとして理想的な運営方法がされています。
有限会社BTCP開発者コミュニティという組織がありますが、これは開発の中心的組織ではなく寄付などの財務管理をするための組織です。
開発はコミュニティのメンバーが修正や機能追加を行い、コードの変更要望はgithub上で管理されコミュニティ内で議論されたのち、実装が行われます。
開発と運営の中心的組織がいることのメリットはとくにスタート時にはプロジェクトを引っ張る存在となることですが、BTCPの場合ははじめからプロジェクトが力強く進んでいく稀有な存在でした。

twitterより引用
この画像はBTCP公式twitterアカウントがハードフォークに至るまでのロードマップと進捗具合の報告を投稿したときのものです。
こんなにも丁寧に細かくかつ予定通り実行されたハードフォークはなかったと思います。
非中央集権的な運営方法で課題となりがちなプロジェクトが停滞するという悩みはBTCPにはないと言えます。
BTCより4〜5倍も送金が速くなる
ブロックサイズはビットコインの2倍、ブロック生成時間は4分の1となるためビットコインより約4倍は送金速度が速くなり、処理できる件数も増えています。
またBTCPにもライトニングネットワーク導入が予定されているため、送金速度は4倍以上になります。
ビットコインプライベート(BTCP)の悪い点(デメリット)
取引できる大手仮想通貨取引所が少ない
記事執筆時点で取引高ランキング10位以上の仮想通貨取引所での取り扱いはありません。
HitBTCも大手の取引所ですがここだけでは高い流動性を保つことができません。
逆に言えばBinanceやBittrexなどで取り扱いが始まれば大きく取引高が増えると予想されます。
ビットコインプライベート(BTCP)の今後は?
詳細なロードマップが公開されている
前述したようにハードフォーク前の進捗報告が丁寧で詳細だという話をしましたが、2018年のロードマップも同じように細いレポートが出ています。

twitterより引用
長すぎるので画像を小さくしました。
2018年〜2019年にかけての開発予定とその進捗具合を報告しています。
開発進捗は非常によく、この画像の投稿時にもコミュニティの頑張りにより想定より早くタスクが完了したと報告されています。
今後の予定で大きなものは「専用ウォレットの開発とバージョンアップ」「ライトニングネットワーク導入」「ECサイト開発プラットフォームの決済にBTCPを使用できるようにする」などが予定されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
記事執筆時点では筆者はビットコインプライベート(BTCP)を保有していませんでしたが、調べていく中でこの通貨のポテンシャルは非常に高いと感じましたので、書いている途中でHitBTCから買ってしまいました。
タイミングを見ながら少しずつ買い足して行こうと考えています。
筆者は立ち上がりの時期のプロジェクトの多くは強権的に引っ張る強いリーダーが必要と考えを持っていますので、BTCPのような本当の意味でコミュニティ主導で開発が進んでいるプロジェクトがあることに驚きを感じました。
BTCPは今後も大注目していきます。それでは!