簡単にトークンを発行できるのが特徴のWaves。
企業向け多機能プラットフォームで、今後スマートコントラクトも実装予定のICO/DAppsのプラットフォームとして注目を集めています。
この記事ではWavesがどのような仕組みで動いているのか、将来性、購入方法まで詳しく解説していきます。
目次
Waves(ウェーブス)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
2018年5月時点でWavesが売買可能な国内の仮想通貨取引所はありません。
Wavesが購入可能な海外の仮想通貨取引所の中で、Wavesを購入するのに適した取引所はこの3つです。
- 〈海外〉Binance(バイナンス) ※おすすめ
- 〈海外〉Tidex(タイデックス)
- 〈海外〉Bittrex(ビットレックス)
これら仮想通貨取引所の中でBInanceがWavesの購入に最適と考えています。
Binanceでの購入をオススメする理由

CoinGeckoから引用
Wavesは2017年12月にBinanceに上場しました。
それまではWavesを買うならBittrexがオススメでしたが、Binanceのほうが売買手数料が安く取引高も多いため記事執筆時点ではBinanceでWavesを買うことをオススメしています。
Waves(ウェーブス)の将来性は?これから価格は上がる?
Wavesの時価総額は現在40位前後となっていますが、Wavesがプラットフォームとして提供する価値を考えると現在の価格は過小評価されていると考えています。
筆者はWavesが時価総額ランキングTOP5以内になれると考えていますが、その理由を3つのポイントにまとめて解説していきます。
- 1分1WAVESで簡単に独自トークンを発行できる
- 企業発行ポイントが円やBTCに交換できるようになる
- 2017年もっとも進化した仮想通貨である
1分1WAVESで簡単に独自トークンを発行できる
Wavesのクライアント管理画面で1分の時間で1WAVESあればオリジナルトークンを発行できます。
1WAVESは記事執筆時点で約750円ですので、金額的にも技術的にも誰でも簡単にトークンを作ることができます。
下の画像はWavesのクライアント管理画面のトークンを作成するページです。

「トークンの名前」「トークンの説明」「発行するトークンの枚数」「追加供給はありかなしか」「小数点は何位まで」を入力して決定を押すとトークンが発行されます。
上の画像では総発行上限100万枚(小数点以下なし/追加発行なし)のKusacoinというトークンを発行するという内容になります。
プログラミングや技術的な知識がなくても1WAVESあれば簡単にトークンを発行できる点がWavesの特徴であり、日本でもトークンの発行時にWavesを選択する人や企業が徐々に増えてきていると感じています。
企業発行ポイントが企業発行トークンに置き換わっていく

日本だけでもポイントやマイレージの合計が約1兆円に達するそうです。
それだけ企業が発行するポイントが来店促進につながるため各社競ってポイント制度を導入しているのですが、ポイントカードが各社ごとに発行されて枚数が増えたり、あまり使わない店舗のポイントは結局使えなかったりと無駄が多いのが現状です。
世界的ハンバーガーチェーンのバーガーキングはロシア国内の店舗にWavesで作成したトークンを使用すると発表しています。
今後企業が発行するポイントの一部はトークンで発行されるようになっていくと考えられます。
お客さん側のメリットは「管理がスマホでできること」「ポイントが円など法定通貨やBTCなど他の仮想通貨・トークンに交換できること」です。
後ほど解説しますがWavesは独自のDEX(分散型取引所)を開設しており、Waves上で発行されたトークンの売買はもちろん、BTCやETHやLTCなど仮想通貨や、法定通貨である円やドルとも交換することができます。
そしてお客さん側だけではなく企業・店舗側にも「システムの導入費用が安い」「トークンを一斉に大量のアドレスに送付できる」などのメリットがあります。
実際に既存の店舗システムに組み込むには費用は掛かると思いますが、トークン自体は1WAVESで発行できるため安く導入することができます。
そして一番重要なのがトークンを一斉に大量のアドレスに送付できることです。
トークンを見込み客に配布することで来店を促したり、認知度を上げるためのマーケティング施策としてAirdropを活用できます。
普通ポイントは購入者に与えるものですが先にポイントを配布してしまうことでもらったポイントを使えるならという来店の動機になります。
このように企業発行ポイントがトークンに置き換わっていくと、お客さん側と企業・店舗の両方にメリットがあります。
そして簡単に安くトークンを発行できるWavesはこのような未来になっていったときに、トークン発行プラットフォームとして一番の候補になっている可能性があります。
2017年もっとも進化した仮想通貨である

Mediumより引用
上の画像はWaves運営が2017年の振り返りとして投稿したブログから引用したものです。
Wavesは2017年に主に以下の開発とマーケティングを進めてきました。
- DEX(分散型取引所)の運営開始
- リース(保有するWAVESを貸し出す仕組み)の実装
- マイクロソフトAzureとの連携
- iOS/Android用のモバイルウォレットリリース
- 世界4大コンサルティング会社のデロイトとの提携
- モバイルウォレット上でDEX機能の実装
- 新管理画面のWaves Client1.0をリリース
- 有望なICOプロジェクトの支援
主なものだけでこれだけの開発と提携を進めてきたことは、Waves運営のビジネス力の高さを証明しています。

CryptoMisoより引用
記事執筆時点から直近1年間の開発プラットフォームであるGithub上の進捗数を見ても、仮想通貨全体で6番目と意欲的に開発が進められています。
のちほど詳しく解説しますが、大手企業との提携や有望なICOプロジェクトに投資したりというビジネス側の成果と開発側の成果を合わせると、2017年もっとも進化した仮想通貨プラットフォームであると言ってもよいと考えています。
記事執筆時点の2018年5月でも開発の勢いは弱まっていないため、2018年中にチューリング完全なスマートコントラクトの実装でWavesのプラットフォームとしての完成が予定通りにいくことが期待できます。
筆者はトークンが簡単に発行できICOやDAppsのプラットフォームとしても完成されていくWavesは過小評価されており、2018年末予定のスマートコントラクトの完全な実装に近づくにつれて時価総額の急上昇が見られると考えています。
Waves(ウェーブス)とはどんな仮想通貨?
- 通貨単位はWAVES
- 公開日は2016年4月
- 発行上限枚数は1億WAVES
- NXTのコア開発者が創設者
- 2016年ICOで資金調達を実施
- コンセンサスアルゴリズムはLPoS
- 取引承認時間は1分
- 秒間1000トランザクションの処理が可能
- 限りなく低い手数料
NXTのコア開発者が創設者
NXT(ネクスト)というビットコイン2.0系の先駆けとも呼べる仮想通貨からコミュニティが分裂する形でWavesが生まれました。
Waves創設者のSasha Ivanov(サシャ・イワノフ)は、NXTのコミュニティメンバーでしたが、NXTの今後の方向性に対する姿勢の違いからNXTの思想を一部受け継いだ形でWavesを立ち上げました。
コード自体はゼロベースで作られているため、NXTから分裂したといっても中身は完全に別物となっています。
2016年ICOで資金調達を実施
WavesはICOで資金調達を行っています。
2016年4月にICOをスタートし初日に約2億円、最終的に16億円の調達に成功し、Wavesは2016年でもっとも成功したICOプロジェクトと言われました。
発行上限枚数は1億WAVES
WAVESの発行上限枚数は1億WAVESです。
すでに上限に達しているためこれ以上増えることはありません。
コンセンサスアルゴリズムはLPoS
WavesはLPoS(Lease Proof of Stakeの略)をコンセンサスアルゴリズムとして採用しています。
PoSの一形態ですので、基本的にはたくさんのWAVESを持っているほうがマイニングしやすいということになります。
LiskやBitSharesのDPoSと似ていて、多くのWAVESを持つノードにWAVESを貸し出す(Lease)ことができます。
秒間1000トランザクションの処理が可能
Wavesは秒間1000トランザクションを処理できる能力を持っています。
これはブロックチェーン上のトランザクション処理速度としてはトップクラスの速さです。
Wavesは2017年にWaves-NGというアルゴリズムが導入されました。
これはカーネル大学研究者達がビットコインのスケーラビリティ問題を解決するBitoin-NGを参考にしています。
秒間1000トランザクション処理できると書きましたが、Waves-NGアルゴリズム導入後はネットワークの速度が許す限り速くなるので、理論上は秒間1000トランザクション以上の処理能力があります。
例えば「商品を渡して代金をもらう」というここからここまではセットとなる分割できない一連の処理単位をトランザクションと呼びます。
限りなく低い手数料
Wavesの取引手数料は0.001WAVESと決まっていて、記事執筆時点の価格1WAVES=約742円換算だと約0.7円です。
手数料はWAVESだけではなくWavesトークンでも支払うことが可能です。
後述しますがウォレットに付属しているDEXでも送金手数料は同じですので、DEXの弱点であった「ブロックチェーンに取引をすべて保存しなければならないのでその都度手数料が掛かる」という金銭的負担を軽減することができます。
Waves(ウェーブス)の良い点(メリット)
多機能な公式ウォレット
Wavesがリリースしているウォレットは多機能で使いやすいことが特徴です。
- iOS/Android用とweb用のウォレットが用意されている
- WAVESの貸出と利息の受取ができる
- DEXでの取引ができる
- トークンを発行できる
上記のほかにもウォレットとしての当たり前の機能として送金も可能です。
特に「DEXでの取引ができる」のは便利で、通常WAVESからBTCに交換したい場合は「ウォレット→取引所→交換」という流れで取引所に一旦送金する必要がありますが、ウォレットにDEXが付属しているためその手間が必要なく、手数料も掛かりません。
このようにシンプルで多機能なウォレットをWavesは持っています。
ウォレット付属のDEXでETHやBTCや法定通貨の売買も可能
WavesのウォレットにはDEX(分散型取引所)がくっついているということはすでにお話しました。
そしてその特徴はBTCやETHはもちろん、EURやUSDなど法定通貨をペアとして取引ができることです。
BTC/WAVESはもちろん、BTC/ETHやETH/EURなどWAVESを介さない取引が可能です。
2018年5月時点でWaves-DEX上で取引可能な通貨を下記に記載します。
WAVES / BTC / BCH / ETH / LTC / ZEC / DASH
USD / EUR / TRY(トルコリラ)
この他にWavesプラットフォーム上で発行されたトークンすべてとなります。
DEX管理画面のUIデザインがとても使いやすい

これはWavesのDEX管理画面ですが、Binanceやビットフライヤーなど中央管理型の取引所と遜色ないUIデザインになっています。
イーサデルタなどのDEXを使ったことがある人はわかると思いますが、「重い」「わかりづらい」「取引が約定しない」の3重苦で初心者の方にはまったくオススメすることができません。
しかしWavesのDEXであれば普段使っている仮想通貨取引所の管理画面と大差がないため、DEXデビューにオススメできます。
デザインの良さは一般ユーザーを惹きつけるのに重要な要素ですので、Waves-DEXのUIデザインはwavesの強みとなっています。
また前述したWaves-NGというアルゴリズム導入のおかけで送金が数秒で済むようになり、DEX上の取引もサクサクと行えるようになりました。
2017年前半の頃は送金に数分かかっていたので取引が終わっているのはどうかヒヤヒヤしながら触っていました。
現在のWaves-DEXは「速い」「軽い」「取引が約定する(機会が増えた)」と大きく改善され、Wavesの強みとなっています。
※注 まだベータ版の管理画面ではあるので今後重大なバグなどが見つかる可能性もあります。ご利用の際は正式版まで待つか、サブのアドレスでアカウント作成するなど十分にご注意ください。
有望なICOプロジェクトを集めて投資している
WavesはWaves LaboというWavesプラットフォームを活用したICOプロジェクトを支援を行っている組織を持っています。
これまでお話してきたようにWavesはトークンを簡単に作ることができ、ウォレットにDEX機能もあることからICOのプラットフォームとしては十分すぎる機能を持っています。
しかしだからといってまだまだ認知度も時価総額も低いWavesが何もしなくても有望なICOプロジェクトが勝ってにくるわけではありません。
そこでWaves LaboではICOを行いたい企業に対して出資から技術的なアドバイス、PRなどのマーケティング支援などを行っています。
さながらベンチャーキャピタルが行うスタートアップへの投資のようですが、精力的に活動した結果下記のような有望なプロジェクトがWaves上でICOを実施することになっています。
- 【Tokenomica】透明性の高い分散自立型ベンチャーキャピタル
- 【ZrCoin】人工ジルコニウムという物理的なものとブロックチェーンの組み合わせ
- 【MobileGO】モバイルゲームのプラットフォーム
- 【Paytomat】仮想通貨のリアルタイム決済処理システム
- 【Tradinggege】仮想通貨トレードプラットフォーム
上記は一例ですが、この中から大きく成長するプロジェクトが誕生すればWavesのプラットフォームとしての価値を急上昇させることになります。
大手企業・政府機関と提携を結んでいる
Wavesは下記の企業や政府機関と提携またはパートナーとなっています。
- バーガーキングロシアがWaves上で独自トークンの発行
- ロシア連邦中央証券保管庫であるKSDと提携
- ロシアの天然ガス独占企業のガスプロムの子会社にICOとブロックチェーン技術を提供
- カザフスタン当局とイノベーション協定締結
- 世界四大会計社のデロイトと提携
- マイクロソフトAzureと提携
とくに企業向けのICO、トークン発行のプラットフォームを狙っていくWavesはバーガーキングという実績を手に入れられることは他プラットフォームより一歩先を進んでていると言えます。
技術や開発力だけではなく、ビジネス面の強さがWavesの魅力です。
Waves(ウェーブス)の悪い点(デメリット)
競合が多く他のプラットフォームに比べ知名度が低い
Wavesがスマートコントラクトを実装し、DAppsとICOのプラットフォームとしての準備が整ったとき、ライバルとなるイーサリアムやLisk、NEM、NEOなどのプラットフォームと比較するとWavesは知名度が低いのがデメリットです。
現在の時価総額の順位から名前は知っているがしっかり調べる必要はないだろうと思われがちなところがあります。
ぜひWaves運営には、2018年PRを強化していってもらいたいです。
Wavesを貸し出してもらえるトークンが少ない
Wavesの手数料が安いというのは言い換えればマイニングしても報酬が少ないということでもあります。
WAVESは上限枚数に達しているため、新規発行分からマイニング報酬を渡すということもできません。
また送金手数料をWAVES以外でも支払えるというのも、裏を返せば報酬にWAVES以外のトークンが混ざってくるということでもあります。
ちなみにWaves運営としてはWavesがプラットフォームとして成長し、取引量が増えてくれば報酬の問題はクリアされると説明しています。
Waves(ウェーブス)の今後は?
スマートコントラクトの実装(2018年1Qと4Q)
Wavesのスマートコントラクトの実装は2018年1期でチューリング非完全なスマートコントラクトを実装し、それが上手く稼働するかのテスト結果を見ながら、2018年4期にチューリング完全なスマートコントラクトを実施予定です。
アトミックスワップの導入(2018年2Q)
取引所など第三者を介さずにトラストレスに仮想通貨の交換ができるアトミックスワップを、ウォレットに導入予定です。
このまま進むと世界一多機能なウォレットになりそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
WavesはICOやトークン発行のプラットフォームとして徐々に人気が出始めていますが、スマートコントラクト実装後はその処理能力の速さやトークン発行の簡単さを活かしたDAppsもWavesに集まってくると考えています。
2018年5月時点でWavesは時価総額40位前後と非常に過小評価されていますが、2018年の開発がスケジュール通りに進めば状況も変わってくると思います。
ぜひWavesにこれからも注目してもらえればと思います。