ブロックチェーン技術を使って分散型の予測市場を構築するAugur(REP/オーガー)。
記事執筆時点ではコインチェックでも取り扱いがあることと、rippleを買おうとした人が間違えてREP(Augur)を買ってしまうなどで日本人に馴染みがある仮想通貨の1つです。
この記事ではAugurがどのような仕組みで動いているか、Augurの購入方法や将来性など詳しく解説していきます。
目次
Augur(REP/オーガー)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
2018年5月時点でAugurが売買可能な国内取引所はありません。
コインチェックはNEM流出事件前は売買可能でしたが、事件から2ヵ月以上経った時点でもまだAugurの売買は再開していません。
Augurを売買できる海外の仮想通貨取引所の中で、Augurを購入するのに適した仮想通貨取引所はこの3つです。
- 〈海外〉Bittrex(ビットレックス) ※おすすめ
- 〈海外〉Upbit(アップビット)
- 〈海外〉Poloniex(ポロニエックス)
これら仮想通貨取引所の中でBittrexがAugurの購入に最適と考えています。
Bittrex(ビットレックス)での購入をオススメする理由

CoinGeckoより引用
AugurはUpbit、Bittrex、Kraken、Poloniexでほとんどの取引がされています。
その中でもUpbitとKraken(クラーケン)での取引が多いのですが、Upbitは日本居住者は使えず、KrakenはAugurの取引がEUR(ユーロ)でされているため日本人にとって使いづらいためオススメできません。
ですので消去法的ではありますが、BittrexがAugurの売買でオススメできます。
Augur(REP/オーガー)の将来性は?これから価格は上がる?
Augurは分散型予測市場プラットフォームで、イーサリアムブロックチェーン上のDAppsの中でも有望視されています。
筆者はAugurは仮想通貨市場が伸びていけばAugur自体の価値や時価総額は上がっていくと考えていますが、仮想通貨全体の中で時価総額ランキングを伸ばしくていくのは厳しいと考えています。
その理由を3つポイントにまとめ説明していきます。
透明性の高い分散型の予測市場
まず予測市場とは何かという話ですが、簡潔に言えば「将来を予測するための先物市場」となります。
先物とはある商品の価格変動のリスクをを避けるための手段として使われるものですが、予測市場のように情報のみで実際の商品がない場合は、将来の価格変動を利用して利益を得るための投機対象となります。
少し難しい話になってしまいましたが、簡単に言うと「ある対象にみんなが利益を得るために真剣に投機した結果の予測値を集めるためのマーケット」が予測市場となります。
詳しい説明は省略しますが「群衆の知恵」という専門家が出した予測値より一般大衆の予測値の平均のほうが正しい場合が多いという理論があります。
その理論を実践するためにはアンケートなど1人一票では不十分で、自信があれば上限なく投票できるブックメーカー(賭け屋)のような仕組みだと予測精度が上がると言われています。
例えばイギリスのブックメーカーなどのギャンブルも賭け事の対象が「アメリカ大統領になるのはトランプ候補かクリントン候補か」であった場合、トランプ当選が70%、クリントン当選が30%と結果がでた場合はそれが予測値となります。
現在予測市場としても使われているイギリスの各ブックメーカーですが、自分たちに利益ができるように顧客を誘導したりと不正が問題視されています。
Augurは「中央管理者がいないため胴元への手数料がなくま不正の心配がない」「賭け事の対象は誰でも作ることができる」「透明性の高い」このような予測市場を作るために設立されました。
保険商品に革命を起こす可能性がある
Augurの仕組みは既存の民間保険の仕組みと似ています。
例えば医療保険が支払われるまでの流れは下記となります。
- 病気になるかならないかわからないが保険に加入
- 病気になったため医師の診察を受ける
- 医師の診断結果をもとに保険が適用される
- 保険金が支払われる
この流れと仕組みはAugurでも作ることができます。
- 自分が病気になるかならないか賭け事を作る
- 病気になったため医師の診察を受ける
- 医師をレポーターとして結果の判断を行う
- 事前に決めた内容にしたがって報酬が支払われる
Augurを使って民間保険を代用することのメリットは「保険会社が必要ないのでその分安いこと」「保険会社により途中で内容を変えられないこと」などがあります。
これは自動車保険や地震保険など応用できる範囲も広いため普及には乗り越えるハードルがいくつもあります。
しかし日本だけで見ても生命保険だけで39兆円ある市場に応用が効くかもしれないということはAugurの将来性に期待できる点の1つになっています。
予測市場を狙う競合サービスが多く競争が厳しい
予測市場は成長市場でありAugurと類似しているサービスがすでに複数存在し、その中のいくつかはAugurより優れている点があります。
- 【Gnosis(ノーシス)】賭け事の結果を判断するところを中央管理にすることで報酬を即座に支払えるのが特徴
- 【WINGS(ウイングス)】2014年公開、2017年に取引が開始された予測市場プラットフォーム
- 【STOK(ストック)】Bancorを利用して流動性を確保できるのが特徴
Augurは2018年5月時点で予測市場系仮想通貨の中では一番時価総額が高くなっています。
しかしAugurよりサービスのリリースが早かったり、報酬の支払いタイミングは早かったりするサービスもあり、今後もAugurより優れた競合は増えてくると考えられます。
ですので分散型予測市場プラットフォームは将来有望ですが、予測市場の競合は多いためAugurがその中で勝っていけるだけの材料は少なく、これから時価総額ランキングを上げていくのは厳しいと筆者は考えています。
Augur(REP/オーガー)とはどんな仮想通貨?
- 通貨単位はREP
- 公開日は2016年3月14日
- 発行上限枚数は1100万枚
- Augurの名前の由来は「占い師」
- 誰でも賭け事を作ることができる
- Augurはイーサリアムブロックチェーン上のDApps
- 賭け事の内容と結果が正しいの審判役が存在する
発行上限枚数は1100万枚
REPの最大供給量は1100万枚とちょうどビットコインの半分になります。
またすでに1100万枚は発行済となっているため、今後枚数が追加されることはありません。
Augurの名前の由来は「占い師」

Augurの名前の由来は、ラテン語で「アウグル(Augur)」という古代ローマなどで設置されていた公職からきています。
アウグルは日本語では「鳥ト官」「鳥占官」と訳され、その役割は鳥の鳴き声や飛翔状況から神の意志を示すことにありました。
宗教的な意味合いだけではなく、戦争や商売などの意思決定にも関わっていたとされています。
誰でも賭け事を作ることができる
欧米の賭け屋であるブックメーカーは胴元だけが賭け事を作り倍率(オッズ)をつけ客の投票を募ることができますが、中央管理者を持たないAugurでは誰でもイベントを作ることができます。
Augurでは参加者は3種類のパターンで賭け事をつくることができます。
- Yes/NOで回答できる形式
- ABCのうちどれ?のように選択式
- Zは何個売れる?のように数量を予測する形式
賭け事の内容と結果が正しいか判断する審判役が存在する
ブックメーカーなど賭け事の結果を判断するのは中央管理者の役割になっていますが、分散型予測市場であるAugurではREPを持った複数の審判役(レポーター)が賭け事の内容と結果の報告を行います。
不正を防ぐ仕組みとしてレポーターが少数派となった結果に投票した場合は、賭けていたREPは没収される仕組みがあります。
例えば12月25日の東京は快晴だったにも関わらず雨と応えた場合はそのレポーターのREPは没収され、多数派に投票したレポーターにREPが分配されます。
正しい報告には報酬を、間違った報告には罰則を設けることで不正をなくす仕組みをAugurは持っています。
Augur(REP/オーガー)の良い点(メリット)
これまでにAugurの良い点についていくつか触れていきましたが、ここからはその他の良い点に触れていきます。
予測市場は成長分野である
IT化やインターネット普及で膨大なデータの収集が可能になった結果、それを企業経営のためのマーケティングに使おうという動きが増えてきています。
予測市場も元々はブックメーカーなどアナログな方法で運営されていましたが、現在では世界中から投票を募ることができています。
群衆の知恵によって精度の高い予測値がわかれば、例えば今年の夏は猛暑日が続く可能性が高いとわかっていればビール会社は製造を増やしたり、冷房会社はクーラー設置の人員確保をスムーズに行なえます。
こういったふうに予測市場を企業経営に活かす動きは加速しているため、予測市場自体が成長市場となっています。
そのため予測市場系の仮想通貨も注目されやすいというメリットがあります。
スマートコントラクトを使って自動化している
イーサリアムのブロックチェーンとスマートコントラクト(賢い契約)を活用して、事前に定義された賭け事の内容がブロックチェーンに保存され、賭け事を作った後は自動でその契約内容が実行されるようAugurは作られています。

例で説明すると、「12月25日の東京23区は好天か悪天候のどちらか」という賭け事を作り、ブロックチェーン上で投票の受付など管理します。
そして25日は雨で悪天候だった場合は悪天候に賭けていた参加者にオッズに応じた報酬が契約内容に従って自動で支払われます。
契約内容と結果の正しさを判断するのは前述したようにレポーターという人の手を借りる必要がありますが、その他投票受付から報酬の支払いまで自動化できていることがスマートコントラクトを使っているAugurのメリットになります。
Augur(REP/オーガー)の悪い点(デメリット)
コインチェックでAugurの取扱いがなくなる
2018年5月現在コインチェックではAugurの売買はできませんが、コインチェック上では名前が残っています。
しかしダッシュやモネロなどの匿名系通貨と同じくAugurもコインチェックから上場廃止となる可能性が高いと見ています。
Augur自体が賭け事のプラットフォームですので、公営の賭博場以外は認めていない日本では違法となる可能性が高いからです。
REPを売買することに違法性はありませんが、REPを使うサービスが賭け事のプラットフォームということで金融庁は認めないのではないかと見ています。
Augurが日本国内で普及するのは難しい
上記の理由からAugur自体は日本で普及するのはとても難しいと考えています。
同時にアメリカなどブックメーカー方式の賭博を合法としていない地域でも普及へのハードルは高いと言わざるをえません。
保険商品への応用できることのインパクトは大きいですが、各国での法整備次第なところもありこのデメリットは大きいと考えています。
報酬が支払われるまでの期間が長い
Augurでは複数のレポーターが結果の判断をして正しさを確認する仕組みのため、賭け事の結果が決まってから報酬が支払われるまで1ヶ月ほど待つ必要があります。
例えばプロ野球の優勝チーム予想などでは結果が出るまで半年はかかることを考えると、結果が出てから報酬が支払われるまでの期間が1ヵ月というのはそんなに長く感じないかもしれません。
しかしグノーシスなど報酬がすぐに支払われる競合サービスがある以上、報酬が支払われるまでの期間が長いことはデメリットになります。
仮想通貨自体がボラティリティが高く何に賭けているのかわからなくなる
これは仮想通貨自体が過渡期だから起こる現象ですが、REPの価値が短期間で乱高下してしまうと、賭け事の対象に投機しているのか、REP自体に投機しているのかわからなくなります。
例えばプロ野球の優勝チームに1REP(当時5000円)を賭け、優勝チームを当てたとき10REPもらえましたがそのとき1REP=500円だったため5000円が報酬でしたという話もあるかもしれません。
もちろんその逆のパターンもありえますが、それくらいボラティリティが高いとREP自体に投機すればいいんじゃないのかという話になってしまいます。
それならば状況に合わせてREPを動かすこともできるので、プロ野球の例で言えば約半年間もロックされてしまうのは機会損失とも言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
予測市場系の仮想通貨は多く、それだけこの市場が期待されている証明でもあります。
その中でAugurがこのままトップを維持できるかは筆者としては疑問に思っていますが、予測市場系仮想通貨自体は今後も盛り上がっていくので、これからも情報を追っていきたいと考えています。