VeChain Thor(ヴィチェーン トール)はあとから書き換え不可能なブロックチェーンの性質を利用し、手にした商品が本物であることを証明できるブロックチェーン技術を使用した仮想通貨です。
当初はこのような目的で立ち上がったVeChainですが、2018年2月のリブランディングを経てイーサリアムのような産業向けのDAppsプラットフォームへと生まれ変わりました。
この記事ではVeChain Thor(以下VeChainと記載)の購入方法や将来性などをくわしく解説していきます。
目次
VeChain Thor(VEN/VET)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
VeChainは2018年4月時点で国内の仮想通貨取引所での取り扱いはありません。
取り扱いのある海外の仮想通貨取引所の中で、VeChainを購入するのに適した仮想通貨取引所はこの3つです。
- 〈海外〉Binance(バイナンス) ※おすすめ
- 〈海外〉Huobi(フオビ)
- 〈海外〉Bithumb(ビッサム)
Binance(バイナンス)での購入をオススメする理由

VeChainは日本でも人気のバイナンスや、香港拠点のフオビ、韓国大手のビッサムでの取引が活発ですので、この3社から選べば間違いないですが、これらの取引所のなかでは筆者はバイナンスをおすすめしています。

CoinGeckoより引用
記事執筆時点で僅差ではありますが、取引量がもっとも多いのが韓国大手のビッサムです。
しかしビッサムは通貨ペアがKRW(韓国ウォン)ですので日本に住んでいる人には使いづらいため、若干ですが取引量が落ちたとしても手数料も安いバイナンスをおすすめしています。
バイナンスのおすすめポイントはこの2つです。
- VeChainの取引高が多いこと
- 取引手数料が最安値であること
デメリットはバイナンスは日本語対応をやめてしまったので英語があまり好きではない人にとっては手が出しづらいことです。
しかしバイナンスはVeChain以外でも将来性のある仮想通貨を上場させていますので、アルトコイン投資をするのであれば登録必須の仮想通貨取引所です。
ご登録がまだの場合はぜひ下記より公式サイトをご覧ください。
VeChain Thor(VEN/VET)の将来性は?これから価格は上がる?
VeChain Thorは2018年4月16日時点で時価総額ランキングは16位となっています。
時価総額15位以上のどの仮想通貨も強みもあり安定していますので、ここからさらに上位に割り込むのはとても難しいことですがVeChainにはそのチャンスがあると考えています。
その理由は以下の3つにわけて説明していきます。
- 偽造品防止には50兆円規模のニーズがある
- ルイヴィトンやBMWなど大手企業との提携が進んでいる
- 中国の政府機関と協定を結ぶ唯一の仮想通貨である
偽造品防止には50兆円規模のニーズがある

海外旅行先やフリマアプリなどでブランドの偽物をつかまされた人は少なくありません。
経済協力開発機構(OECD)の発表によれば、高級ブランド品などの偽造品市場は世界全体で50兆円規模に達していることが明らかになりました。
これは世界貿易全体の中で約3%にあたり、オーストリアの経済規模に匹敵しています。
そのため偽造品・模造品対策として関税で差し止めをしたり、偽造品を作っている業者を摘発、逮捕したりと対策を練っています。
しかし高級ブランドの偽造品売買は儲かるためイタチごっことなっているのが現状です。
VeChainは高級ブランド品の埋め込んだチップを読み取るだけでその製品が本物だとわかれば、偽造品が増え続ける状況を解決できると考え作られました。
そのためにブロックチェーン技術の「記録を改ざんすることは不可能」という性質をVeChainは利用しています。
例えばルイヴィトンのバッグを製造する過程で、ブロックチェーン上に記録を残すためのVeChainのチップが埋め込まれるとします。
するとそのバッグはイタリアで作られ、港から船で配送され、大西洋を渡ってニューヨークのルイヴィトンの店頭に並んだ、というそのバッグの生産から流通までの履歴がわかるようになります。
この履歴は改ざん不可能なため、チップを読み取るだけで偽造品と本物とをすぐに見分けられるようになります。
高級ブランド各社は偽造品が売れてしまうことは売上が下がるということだけではなく、ブランドイメージも悪化してしまいます。
そのためVeChainの悪徳業者が対応することができない偽造品対策には強いニーズがあります。
VeChainの高い将来性が期待できる1つ目の理由として、50兆円規模の市場で強いニーズあるところに解決手段を提供できる点が挙げられます。
ルイヴィトンやBMWなど大手企業との提携が進んでいる

twitterより引用
VeChainはルイヴィトンや自動車メーカーのBMWなどの大手企業と提携しています。
このような大きな企業との提携が生まれる背景には、下記のような要因があると考えています。
- CEOのLu氏が過去ルイヴィトンに在籍していたこと
- 世界最大級のコンサルティングファームのPwC社との提携
- エンタープライズ向けに製品開発していること
ルイヴィトンとの提携が早い段階で決まったのはLu氏がルイヴィトンの中国法人で働いていたからということも影響しているでしょう。
しかし世界的大手企業との提携がどんどん進んでいる背景には、VeChainの産業・企業側が導入しやすいテクノロジーと世界185カ国で18万人の従業員を抱えるPwC(プライスウォーターハウスクーパース)社の顧客ネットワークにアクセスできることにあります。
したがってVeChainが順調に開発を進めていくならば、今後も大手企業との提携が発表されるはずです。
中国の政府機関と協定を結ぶ唯一の仮想通貨である

中国は仮想通貨取引所を閉鎖させたり、ICOを禁止したりと仮想通貨への規制が厳しい印象を持たれています。
しかし政府は中国版イーサリアムのNEOを支持していたり、2018年から取引所とICO関連の法整備をして徐々に解禁の動きを見せていたりと、仮想通貨含むブロックチェーン技術に強い興味関心を持っています。
その現れとして経済都市の貴安新区のブロックチェーン領域の技術バートナーにVeChainが選ばれています。
また中国政府直轄機関のタバコ販売を独占的に担う中国煙草総公示司との間で、VeChain導入のための提携が結ばれました。
記事執筆時点で中国政府の機関または行政機関と提携している唯一の仮想通貨がVeChainです。
今後伸びるだろうと予測される仮想通貨のカテゴリに「中国系銘柄」があります。
「政府に認められていて」「中国語の情報が豊富」なVeChainは2018年大注目の仮想通貨です。
VeChain Thor(VEN/VET)とはどんな仮想通貨?

VeChainの基本情報
- 通貨はVET(VEN)とTHORの2つ
- 発行上限枚数は873,378,637VET
- 公開日は2017年8月15日
- コンセンサスアルゴリズムはPoAを採用
製品の製造過程や取引履歴を保存する
VeChainはブロックチェーンの書き換え不可能な性質を利用した、製品の製造や物流の経過記録を保存し、その製品が本物であることを証明する仮想通貨です。
製品に埋め込まれたチップやQRコードを読み取ることで、その製品がどこで作られ、どこに運ばれ、誰によって取引されたのかなどのその製品の履歴を見ることが可能になります。
どういう経路を通ってきたかなどは倉庫などに設置された機器からGPS信号を自動で受け取り、製品ごとにブロックチェーン上に記録されていきます。
創立者はルイヴィトンチャイナの元情報部門出身
VeChain創立者であるCEOのSunny Lu氏は、いくつかの高級ブランド企業を経てルイヴィトン中国法人の情報部門に在籍していました。
ルイヴィトンチャイナのCIO(最高情報責任者)のもとで働いていた経歴が、VeChainのような偽造品防止のためのブロックチェーン技術の活用アイデアや、ルイヴィトンとの提携に結びついた可能性があります。
アルゴリズムはPoAを採用
VeChainのコンセンサスアルゴリズム(合意形成)はPoA(Proof of Authority)が採用されています。
PoAを簡単に説明すると「限られた信頼されている参加者だけがブロック生成できる方法」になります。
2018年2月にリブランディングを実行
VeChainはもともと製造から販売までの過程をブロックチェーン上に記録し、偽造品と本物を見分けるためのサプライチェーンソリューションでした。
しかし2018年2月のリブランディングイベントで、VeChainはVeChain Thorとしてリブランドしました。
リブランドの目的はエンタープライズ(企業/産業)向けのDAppsを提供するプラットフォームへと移行することです。
リブランドの結果VeChain Thorのプラットフォーム上では「VeChainトーク(VET)」と「Thor Power(THOR)」の2種類のトークンが使用されることになりました。
リブランディング(Rebranding)とは、過去に築いてきたブランドの再定義と再構築を行うことです。
仮想通貨のリブランディングで有名なのはダークコインからリブランディングしたダッシュ(DASH)、AntsharesからリブランディングしたNEO(ネオ)です。
VENとVETとTHORの違い
- VENはリブランディング前のVeChainの通貨名
- VETはリブランディング後のVeChain Thorの通貨名
- THORはVETの送金時などブロックチェーンを使用したときに消費されるトークン
記事執筆では仮想通貨取引所によってはVeChainの旧通貨シンボルの「VEN」のままになっているところもあるため、取引所内でVeChainが見つからない時は、VETで検索してない場合はVENでも検索が必要になりますのでご注意ください。
VeChain Thor(VEN/VET)の良い点(メリット)
偽造品防止以外にも農業や医療で活用できる

VeChainは偽造品の防止、つまり本物かどうかをすぐに判別できる方法を提供するために立ち上げられましたが、その技術は他の分野にも応用が効きます。
例えば農業分野では、中国など自国の農作物に不安を感じる消費者は安全なものを手にしたいというニーズがあります。
生産から流通までの全ての過程が改ざん不可能なブロックチェーン上に記録されていれば安心して農作物を口にすることができます。
また農作物を作る側の企業もIoT機器を駆使し、効率よく生産したいという需要があります。
このような需要に応えるためにVeChainはIoT機器とブロックチェーンを掛け合わせて使えるサービスを提供しています。
IoT機器で農作物をモニタリングし、使われている農薬や生産過程が自動でブロックチェーン上に記録されますので消費者は偽装などがないかを確認することができます。
またブロックチェーンに記録された情報は公開されているため、農作物を作る企業は他の企業のデータも見ることができ効率よく生産することができます。
医療分野ではペースメーカーなど偽造品や質の悪い製品があると生死に直結するような医療製品や医薬品が本物かどうかを確認できるニーズが特に海外であります。
日本では病院や薬局が提供する機器や薬は安全なことが多いですが、海外では偽造医薬品が結構な割合で流通しています。
そして医薬品については正規メーカーで作られたものかどうかを一般の人が確かめる手段はほとんどありません。
これもVeChainでは生産から流通の過程をブロックチェーン上に記録することで偽造医薬品かどうかすぐにわかるようになります。
他にも自動車の修理履歴やオーナー履歴、走行履歴などをブロックチェーンに保存することで、嘘の履歴で中古車の価格を不当に値上げして販売する詐欺も防ぐことができます。
VeChainの製品の生産から流通過程をIoT機器でブロックチェーンに記録するテクノロジーは、いろんな分野で使われる可能性があります。
製品に埋め込むチップはマーケティングにも利用できる
VeChainのテクノロジーは製品が本物かどうか、安全かどうかを確認できる消費者にとってとても役立ちますが、生産する企業側にとってもマーケティングに活用することができます。
上の項目でお話しましたIoT機器でモニタリングしたデータをブロックチェーン上に保存し、各企業がそのデータを活用することで農作物を効率よく生産することなどはVeChainのマーケティング活用方法の1つです。
そのほかに下記のようにVeChainをマーケティングに利用できます。
- 医薬品の流通状況から流行している病気を把握し、不足する医薬品を予測
- 物流のデータを共有することで効率的に配送
- チップにその製品の開発背景や機能などストーリーを保存
いままでは各企業ごとに管理していたデータをブロックチェーン上に保存するようになると、いままではデータが足りなくてできなかったマーケティング施策ができるようになります。
急成長分野であるIoTと相性が良い

IoTとはInternet of Thingsというあらゆるものがインターネットに接続される状態を指します。
例えばハウス栽培農業では土の中にセンサーを埋め込むことで、地中の乾き具合や温度を測定しそのデータをもとに自動で水や肥料を自動で散布をおこなったりしています。
近い将来、家電や家具、服、椅子、自動車など身の回りのあらゆるものにセンサーが埋め込まれ、そのデータをインターネットで共有することで便利なサービスが提供されるようになります。
IoTで集めたデータはスマートコントラクトなどで自動で実行し、改ざん不可能なデータで共有できるブロックチェーンとはとても相性が良いです。
IoTは急成長している分野のひとつであり、同じく急成長分野であるブロックチェーンを掛け合わせたVeChainは今後の急成長を期待できます。
高級ブランドに留まらず世界の大手企業と提携している
VeChainは記事執筆時点で下記のような企業と提携しています。
- BMW(自動車メーカー)
- ルイヴィトン(高級ブランド品メーカー)
- PwC(世界最大級コンサルティング会社)
- DNV GL(国際的第三者認証機関)
- 中国煙草総公示司(中国政府の直轄のたばこ販売会社)
- マイクロソフト(ソフトウェアメーカー)
マイクロソフトは様々な仮想通貨の財団と提携しているのであまり目新しくないですが、VeChainはこのように国際的大手企業と提携しています。
このほかにも大手コンビニ会社と提携したという噂もあり、今後も大手企業との提携発表が期待できます。
イーサリアムのようなICOプラットフォームになれる可能性も
VeChainはイーサリアムやNEOのようなスマートコントラクトの機能を搭載していますので、VeChain上でICOが実施できます。
VeChainはIoTの活用が特徴ですので、VeChain上で実施されるICOはIoT関連のサービスが実施され、イーサリアムやNEOのICOとはひと味違うものが実施される可能性があります。
VeChain Thor(VEN/VET)の悪い点(デメリット)
イーサリアムに問題があった場合影響を受ける
VeChainは独自のブロックチェーンを持っていますが、イーサリアムとも連携しています。
したがって今後イーサリアムにDAO事件のような大きな問題があった場合にVeChainは影響を与えられます。
VeChainと競合する仮想通貨が複数存在する
VeChainの特徴である「IoTとの連携」「製品の生産・流通管理」「エンタープライズ向け(企業/産業向け)」はすでに似たコンセプトの仮想通貨が存在しています。
IoTではVeChainより時価総額が高いIOTA(アイオタ)や、生産・流通管理ではWalton(ウォルトン)などがあります。
このほかにもVeChainより今後優れた競合が出現する可能性もあることに注意が必要です。
VeChain Thor(VEN/VET)の今後は?
VeChainは2018年第2四半期に関連サービスの提供、2018年第4四半期にIoTと統合を深化させるスケジュールになっています。
VeChainは開発進捗も遅れが少なく開発が活発になされていますので安心して、今後の発表を待ちましょう。
まとめ
VeChainは各産業の課題を解決するテクノロジーと、それを必要する企業とも提携を進めている将来性が高い仮想通貨です。
仮想通貨とブロックチェーンを実用的に使われる方法を示したところは急成長すると考えています。
VeChainはこのままのペースで開発が進めば2018年大躍進を遂げる可能性がありますので期待していきましょう!