ブロックチェーンを基礎技術として開発されたビットコインなどの仮想通貨は既存の通貨システムをより効率的なものに変えてくれる存在として期待されています。
その中でもセキュリティーやプライバシーの保護に役立つ匿名通貨と呼ばれる仮想通貨があり、今回紹介するZcashもそのひとつと考えられています。
Zcashを取引するためのオススメの取引所と通貨の特性、将来性などをまとめて紹介します。
目次
Zcashを購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
アルトコインの中では比較的有名なZcashは、積極的に取引所への上場を行なっており、大手取引所だけではなく多くの取引所で取り扱われています。
日本国内では大手取引所でもまだZcashを扱っていないので、取引するためには海外の取引所を利用する必要があります。
通貨ペアは、主に3つで、ビットコイン、アメリカドル、アメリカドルとの交換レートが保証されているUSDTです。
その中でもビットコインとの通貨ペアは全体の取引量の半分以上を占める割合で、多くの取引所が対応しています。
日本のユーザーであれば、ビットコインとの通貨ペアを採用している取引所を選ぶのが便利かもしれません。
二重の仮想通貨リスクを回避したいのであれば、アメリカドルでZcashを購入するのも悪い選択ではないでしょう。
Zcash取引のオススメの取引所は以下の通りです。
- HitBTC
- Huobi
- Lbank
- Bitfinex
HitBTCならビットコイン、ドル建てで安価に購入できる

HitBTCは、2013年に設立された取引所で、HIT Solution Incという企業によって運営されています。
取引所としての取引自体はイギリスでされている海外の取引所ということになりますが、ウェブサイトやプラットフォームは日本語対応されているので日本人にも使いやすい環境です。
HitBTCのZcashの取引量は2018年3月時点で最も多く、取引量全体の約15%ほどを占めます。
その取引量の多さはZcashの有利な取引価格の根源にもなっています。
HitBTCではZcashとビットコイン、アメリカドルの通貨ペアが用意されており、ユーザーの好みに合わせて取引通貨を選択することができます。
日本人ユーザーがZcashを取引する環境としては他の取引所と比べて比較的良いと言うことができます。
Zcash(ZEC)の将来性は?これから価格は上がる?
世界的な投資銀行JPモルガンとの提携で盛り上がる

大手投資銀行のJPモルガンはこれまでにブロックチェーンの研究開発に多額の資金を投じてきました。
2017年の5月にはZcashのオープンソース開発を管理するZcash Companyと業務提携を結んだことで市場が大きな盛り上がりを見せました。
JPモルガンは自社で開発したQuorumというブロックチェーン技術を使って銀行業務に活用しようとしていますが、この提携はその技術を強化する狙いがあるとみられています。
Zcashは匿名性に優れた技術を有しており、JPモルガンはこの提携で、プライバーシーに関した多くの問題を完全することを期待しています。
ZcashはIT界の要人にも期待される仮想通貨
I am inundated by people asking me for recommendations on cryptocurrencies. If you would use your heads you would figure out that the privacy coins (anonymous transactions) will have the greatest future. Coins like Monero (XMR), Verge (XVG), or Zcash (ZEC) cannot lose.
— John McAfee (@officialmcafee) 2017年12月13日
あのウイルス対策ソフトで有名なMcAfeeの創設者であるジョン・マカフィー氏は仮想通貨の世界でも発言力を持っておいます。
Twitterでオススメの仮想通貨について発言しており、そこではMonero、Verge、Zcashと三つの名前を挙げて話題になりました。
アナリストが6万ドルまでの上昇を予測した

仮想通貨関連の投資商品で知られるグレイスケール・インベストメンツという会社に勤めるアナリスト、マシュー・ベック氏は「2025年までにZcashの価格は6万ドルに達するだろう」と驚きの予測を発表しました。
Zcashの現在価格が5万円に満たない状況なので、この予測が正しければここから100倍以上の高騰するということになります。
韓国の大手取引所に上場し需要拡大を狙う

韓国は中国、日本と並ぶ仮想通貨の巨大マーケットで、Bithumbは韓国最大手の取引所です。
ZcashはこのBithumbでの取り扱いが開始されたことを2017年の9月に発表しました。
今後の韓国でのシェアの伸びに期待が持たれます。
Zcash(ZEC)とはどんなコイン?
Zcashの歴史

Zcash自体の公開は2016年となっており比較的新しい仮想通貨ですが、その前身は2013年に発足したZerocoinプロジェクトというものでした。
Zerocoinプロジェクトはビットコインの匿名性を高めようという目的を持ってジョンズホプキンス大学のマシュー・グリーン教授によって立ち上げられました。
その後、2015年からはスタートアップ企業にオープンソースプロジェクトして開発を継続しています。
ZcashはZerocoinプロジェクトの完成系と言われており、ローンチから大きな問題もなく順調に開発を進めている優秀な仮想通貨なのです。
発行上限と時価総額

Zcashはローンチから2年足らずの間で驚異的な成長を見せました。
2018年3月現在では、時価総額は900億円に迫る勢いで、全体では15番目に大きな仮想通貨となっています。
発行上限枚数は2100万通貨に制限されています。
取引承認にPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用

取引承認の分類はPoWに分類されますが、ビットコインなどで広く使われているSHA256というアルゴリズムとは違い、Equihashというアルゴリズムを採用しています。
ビットコインに比べて、マイニングパワーの独占に耐性がある点が優れています。
Zcash(ZEC)の良い点
ゼロ知識証明による高い匿名性の保持
Zcash最大の特徴は高い匿名性で取引履歴が追跡しにくいということですが、その特性を支えているのがzk-SNARKプロトコルが実現するゼロ知識証明と呼ばれる仕組みです。
zk-SNARKプロトコルはZcashの肝となるテクノロジーで送金アドレス、送金履歴、送金数量のすべてを匿名化してしまいます。
ゼロ知識証明とは、「秘密の答えの内容を伝えずに、その答えが真実であることを検証できる」という優れた暗号化技術で、つまりこれをブロックチェーンに置き換えると、「秘密鍵を持っていることを内容を伝えずに証明できる」ということになります。
Zcashはこの考えを送金システムに組み込むことで、ビットコインなどでは通常公開される送金アドレスや送金数量などを伏せて、なおかつ公正な取引を実現したのです。
ふたつの送金方法を使い分けて効率良い取引ができる
ZcashはShieldedとTransparentという送金アドレスを使い分けることによって、ユーザーはふたつの送金方法を選択できるようになりました。
Shielded Addressを使った取引は、送金元や送金先など全てが匿名化される匿名性の高い取引機能です。
Transparent Addressを使った取引は、全てがチェーン状に記録される、いわゆる情報を公開しての取引ができます。
匿名送金には別途手数料が発生し、一般的には送金スピードなども含めて公開送金の方が効率は良いとされています。
可能性を広げるHawkとBoltのプロジェクト
現在、Zcashにはその使い方の可能性を広げるHawkとBoltと呼ばれるふたつのプロジェクトが存在ます。
Hawkは匿名性を重視したスマートコントラクトの実装です。
スマートコントラクトといえば、条件付けをしてその条件を満たした時に送金を実行することができるイーサリアムなどで有名な仮想通貨の便利な機能です。
Hawkは雇用契約や売買契約など個人情報を必要とする取引に利用が想定されており、プライバシーの保護を行いながらスマートコントラクトの利点を活かすという匿名通貨らしい発想のプロジェクトです。
BoltはBlind Off-Chain Lightweight Transactionsの略称で、Zcash版のライトニングネットワークと言われています。
多くの仮想通貨で、送金詰まりや取引遅延などスケーラビリティーの問題が発生しており、ブロックチェーン外のネットワークで送金処理を一部行って負荷を軽減してしまおうという考えて作られたのがライトニングネットワークです。
BoltがZcash版ライトニングネットワークと呼ばれているのは、やはりそこには匿名性という一貫したコンセプトがあるからです。
Zcashも規模が大きくなるにつれてスケーラビリティーの問題を加えることが予測され、匿名での取引を好むZcashのユーザーにはBoltのようなプライバシー保護されたライトニングネットワークは大きなメリットになると考えられます。
Overwinter、Saplingというさらなるアップデートが計画されている
詳細は明らかになっていませんが、2017年12月にZcashのブログで2018年中にふたつのアップデートを計画していることを明かしました。
OverwinterとSaplingは、ユーザーの安全性の確保、ネットワークの強化、暗号化プロトコルの強化、取引時間の短縮、モバイル対応などのアップデートが盛り込まれているとのことです。
詳細は徐々に明らかになってくるでしょうが、このアップデートにより優れた暗号通貨としての地位をより強固なものとするでしょう。
Zcash(ZEC)の悪い点
匿名通貨が抱える犯罪利用のリスク懸念
MoneroやDashなどと合わせてZcashは3大匿名通貨として有名です。
不幸にもこれらの匿名通貨は、取引の足がつかないため犯罪利用目的に最も効果的とされています。
すでにMoneroは、違法品を扱うダークマーケットでの支払い通貨としての受け入れが大々的に公言されており、インターポールなど国際的機関の調査対象になっているようです。
Zcashは幸い広範囲で犯罪利用されていないと認識されているため、国際機関のマークには合っていないようですが、普及とともにそういったリスクはどうしても高まってしまうでしょう。
まとめ
Zcashは継続的に研究開発を行われており、匿名通貨の中でもトップレベルの性能を誇ります。
今まで大きなセキュリティーエラーや欠陥もなく順調にアップデートを重ねているので、OverwinterやSapling、BoltやHawkといったプロジェクトにも期待ができます。
こういった優れた仮想通貨が犯罪に利用されてしまうことは非常に残念ですが、こういったリスクは匿名通貨が抱える宿命なのかもしれません。
マーケット的にもまだまだ伸び代はあるはずなので、今後の動きをウォッチして動向を伺う必要がありそうです。
今回紹介した情報を参考に、ぜひ購入を検討してみてください。