端末間で様々な仮想通貨を送金できるメッセンジャーアプリを提供している仮想通貨プロジェクトのMixin(XIN/ミックスイン)。
日本語情報が少ないため誤解されがちですが、メッセンジャーアプリはMixinプラットフォーム上の1つのDApp(分散型アプリケーション)に過ぎません。
この記事でMixin(XIN)がどのような特徴を持つ仮想通貨なのか、その将来性や購入方法まで詳しく解説していきます。
目次
仮想通貨Mixin(XIN)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
仮想通貨Mixin(XIN/ミックスイン)を購入できる国内の仮想通貨取引所は記事執筆時点ではありません。
また海外取引所でもXINを取り扱っているところは「BigONE(ビッグワン)」と「KKCOIN(読み方不明)」の2カ所のみとなっています。
KKCOINでの購入をオススメする理由

CoinGeckoより引用
上記のXINの取引高をご覧いただくとおわかりになる通りで、記事執筆時点では実質的にはBigONEしかMixinを購入できるところはありません。
しかしBigONEは2018年7月30日から日本のIPアドレスからのアクセスを遮断すると発表しているため、記事執筆時点ではXINの取引高が0.01%しかないKKCOINで購入する以外に方法がありません。
KKCOIN自体はデザインや草コインの豊富さからバイナンスを意識していることがはっきりとわかる仮想通貨取引所となっています。
Mixin自体が日本での知名度が低いためBigONEでXINを売買していた日本人利用者がKKCOINに流れてくることも考えづらく、しばらくの間はXINは日本居住者にとって買いづらい仮想通貨となりそうです。
仮想通貨Mixin(XIN)の将来性は?これから価格は上がる?
仮想通貨Mixin(XIN/ミックスイン)の記事執筆時点での時価総額ランキングは53位となっています。
筆者はMixinが実現しようとしていることやその技術力に強い将来性を感じていますが、同時に今後さらに時価総額の順位を伸ばすことは難しいのではないかと考えています。
その理由を3つにまとめて解説していきます。
- P2Pで仮想通貨を送金できるメッセンジャーアプリ
- 高度な技術を使用しブロックチェーンの課題を解決
- Mixinに関する情報が少なくその技術を理解するのは困難
P2Pで仮想通貨を送金できるメッセンジャーアプリ

Mixin公式サイトより引用
Mixinはネットワークで繋がれた端末間同士のピアツーピアで仮想通貨を送金できるメッセンジャーアプリをリリースしています。
記事執筆時点ではビットコインやイーサリアム、リップル、ライトコイン、EOS、Siacoin、イーサリアムクラシック、ビットコインキャッシュの8種類を扱うことができます。
アプリはiOS用とAndroid用の2種類用意されており、電話番号やパスワードを設定すればすぐに利用することができます。
XINを保有していなくてもメッセンジャーアプリは利用することができ、電話番号を知ってる相手であれば簡単に仮想通貨を送ることができます。
このメッセンジャーアプリの名前がMixinとなっているため、Mixin=仮想通貨送金ができるメッセンジャーアプリと誤解されていることもあるのですが、メッセンジャーアプリはMixinプラットフォーム上で開発されたDApp(分散型アプリ)の1つとなっています。
またメッセンジャーアプリにはゲームやチャットボット、ニュース配信ボットなどMixin開発者コミュニティが作成したアプリや機能を利用することが可能となっています。
だれでも手軽に利用できるアプリを持っていることがMixinの大きな特徴となっています。
高度な技術を使用しブロックチェーンの課題を解決
Mixinにはスケーラビリティ問題や各ブロックチェーンが相互利用できない問題、匿名性がない問題だとブロックチェーンが抱える課題を解決するために様々な技術が使われています。
- スケーラビリティ問題解決のためのDAG技術
- ブロックチェーンの相互利用のためのクロスチェーン技術
- 匿名性のためのゼロ知識証明とリンク署名技術
- ネットワークのセキュリティを向上させるDAGとBFT技術
これらのほかにMixin独自のカーネルプロトコルと呼ばれる仕組みも存在します。

Mixinホワイトペーパーより引用
これらの各技術について詳細に解説するとそれだけで軽く1万字を超えてしまいますので省略しますが、興味のある方はぜひ一度ホワイトペーパーを読んでみてください。
重要なのはMixinはこれらの技術を使ってスケーラビリティやセキュリティ、クロスチェーンの各課題の解決を目指していることにあります。
秒間10億件以上のトランザクション処理、取引手数料0%、匿名性のある取引、クロスチェーンでのDApp開発ができるプラットフォームにMixinはなると開発チームは話しています。
Mixinに関する情報が少なくその技術を理解するのは困難
Mixinは日本語情報が少ないのはもちろん、英語や中国語圏の情報もあまり多くありません。
その理由のひとつに公式サイトの情報量が少なく、技術的な資料もホワイトペーパーのみとなっていることが挙げられます。

Mixin公式サイトより引用
上記画像はMixin公式サイトのトップページですが、キャッチコピーとアプリや外部サイトへのリンクのみのシンプルなサイトとなっています。
「俺たちのプロダクトを見てくれ!それがすべてだ!」という風に捉えれば非常に男らしいというか技術者らしいサイトになっています。
このサイトにはMixin Logsと呼ばれる公式ブログがありますが、2018年4月の初投稿から記事執筆時点で12件しか投稿されておらず、内容もプライバシーポリシーの変更やアップデート情報など短めの内容となっています。
またもっとも活発に活動しているソーシャルメディアはtwitterなのですが、こちらも記事執筆時点で99ツイートとなっており情報量は多くありません。
Mixinの技術な理解だけでも困難なのですが、公式から発表される情報量も少ないためMixinを購入、保有したいユーザーからすると判断に迷う仮想通貨プロジェクトとなってしまっています。
このように高い技術力を背景にブロックチェーンが抱える課題を解決できる可能性を秘めているMixinですが、その情報量の少なさは投資家にとってデメリットとなっています。
仮想通貨Mixin(XIN)とはどんなコイン?
2017年末のICOで800万EOS調達
2017年11月から12月にかけてICOを実施し、800万EOSを調達しました。
記事執筆時点のEOSの価格は約8ドルのため、現在価格で約67億円となります。
XINはERC20トークン
XINはイーサリアムブロックチェーン上で作成されたERC20トークンになります。
そのためXINの保管には公式ウォレット以外にもマイイーサウォレットやLedger Nano Sなどのウェブ型、ハード型のウォレットが利用できます。
最大発行枚数は100万枚
XINの最大発行枚数は100万枚と少なく、ICO時に40万枚が放出されています。
100万枚中の50万枚はノードへのインセンティブとしてMixin運営チームが管理しています。
また記事執筆時点の流通量は約44万枚となっています。
コンセンサスアルゴリズムはBFTベースのPoS
BFTとはビザンチン・フォールト・トレラントの頭文字で、合意形成システム(コンセンサスアルゴリズム)のひとつの手法や考え方を表しています。
ノードの条件は1万XIN保有
フルノードとなって取引承認、ステークによる報酬を得るための条件は1万以上のXINを保有していることになります。
記事執筆時点での流通量は約44万XINのため、フルノードとなれる人や組織は最大でも44人(組織)となります。
中心的な開発者はセドリック氏
MixinのCEOであり中心的な開発者はCedric Fung(セドリック・フー)氏です。
セドリック氏はMixinが上場しているBigONEに在籍していたこともある技術者で、ブロックチェーン技術に携わる前はMiaopaiなどのAndroidアプリ開発の経歴を持っています。
またセドリック氏は東京在住となっています。
開発チームは中国と日本を拠点に20名前後
Mixinの開発チームは日本と中国を拠点に20名前後のエンジニアが開発に携わっています。
COOのDanna Li氏は中国の大手ブロックチェーンメディア8BTCのコラムニストや、世界最大手のマイニング会社ビットメイン社の投資担当者、BigONEのオペレーションリーダーを歴任しています。
その他Yixia.comのリード技術者だったCrossle Song氏などMixinには熟練の技術者が集まっています。
仮想通貨Mixin(XIN)の良い点(メリット)
Mixin上では資産が1億ドル以上保管され4万人のユーザーがいる
People use Mixin Messenger to store assets valued over $100,000,000 USD. And we have got a peak 40,000 daily active users.
bitcointalkより引用
最大の仮想通貨掲示板であるbitcointalk上でMixinのCEOであるセドリック氏が「Mixin上では1億ドル以上保管されていて、4万人以上のアクティブユーザーが存在する」と話しています。
これは2018年4月16日に投稿された内容ですので現在の金額はわかりませんが、アプリリリース直後で約100億円以上の資産をMixin上で管理していたユーザーがいるという実績は、Mixinの需要の強さを表しています。
ゼロ知識証明とリング署名で高度に暗号・匿名化を実現
MixinにはZcashでも使われているゼロ知識証明や、Monero等でも使われているリング署名の技術が搭載されており、Mixin上での取引の匿名性は高度なものとなっています。
上場している仮想通貨取引所が少ないこと
記事執筆時点で時価総額53位と上位の仮想通貨にも関わらずほぼBigONEでしか取引がないため、BinanceやOKExなどの大手仮想通貨取引所に上場が決定すると価格が上昇する可能性があります。
仮想通貨Mixin(XIN)の悪い点(デメリット)
新しい仮想通貨プロジェクトであること
Mixinは2017年11月のICOから記事執筆時点でまだ1年も経っていないことや、アプリ自体もリリースから数ヶ月となっている新しい仮想通貨プロジェクトです。
それゆえにMixinプラットフォームの安全性や有効性についての検証は不十分と言えます。
ビットコインやイーサリアムですらまだまだ実証実験の最中と言える状況ですので、仮想通貨プロジェクトの中でも特に新しいものには十分注意する必要があります。
上場している仮想通貨取引所が少ないこと
上場している取引所が少ないことはメリットでもありますが、デメリットも存在ます。
記事執筆時点でMixinはBigONEとKKCOINの2カ所の仮想通貨取引所にしか上場しておらず、XINの流動性は高いとは言えません。
また取引のほとんどがBigONEで行われているため、BigONEがハッキング被害を受けたりや倒産となるとXINの流動性が大幅に悪化するリスクがあります。
Appleの規約変更でストアから削除される可能性があること
AppleはAppStoreに登録するための審査が厳しいことで有名ですが、Appleの規約変更によりMixinアプリがストアから削除される可能性があります。
2018年6月にAppleはストアの規約を変更し、アプリ内でマイニングを行うアプリは削除するという方針になりました。
また過去にはBlock chain infoなどのビットコインウォレットアプリを削除したこともあります。
記事執筆時点では開発元がサービスを提供しているウォレットアプリや取引所アプリに限りAppleは承認するスタンスとなっています。
仮想通貨Mixin(XIN)の今後(ロードマップ)は?
2018年9月にメインネットベータ版のリリース、2019年2月にメインネット公開の予定となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Mixinはブロックチェーン界の最新技術がてんこ盛りという感じで情報を調べていく楽しみがある仮想通貨プロジェクトなのですが、いち草コイン投資家としては非常に判断が難しいと感じました。
2018年9月のメインネットベータ版が公開される頃にはMixinの新しい動きがあると考えていますので、引き続きMixinの情報を追っていきたいと思います。それでは!