NEOプラットフォーム上でネットワーク管理のための燃料として使われる仮想通貨GAS(NeoGAS/ガス)。
中国版イーサリアムと呼ばれるNEOは人口約14億人の巨大な中国市場での普及が期待されているスマートコントラクトプラットフォームであり、そのプラットフォーム上ではNEOとGASの2つの仮想通貨が利用されています。
この記事ではGASの購入方法やどのような特徴を持つ仮想通貨なのかを、NEOの将来性も交えて解説していきます。
目次
仮想通貨GAS(NeoGAS/ガス)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
記事執筆時点の2018年7月時点でGAS(NeoGAS/ガス)を購入できる国内の仮想通貨取引所はありません。
GASが上場している取引所は10カ所ほどあり、その中で代表的な取引所は下記の4カ所になります。
- OKEx(オーケーイーエックス)
- Binance(バイナンス)
- Huobi(フオビ)
- Kucoin(クーコイン)
この中でGASの購入に最適なのはOKEx(オーケーイーエックス)ですです。
OKEx(オーケーイーエックス)での購入をオススメする理由

CoinGeckoより引用
GASはOKExでその大半が取引されているため、短期売買を繰り返し行いたい人向けには特にオススメできます。
OKExは香港を本拠地に置く世界最大級の仮想通貨取引所であり、Binanceを抜いて1日の取引高が世界一になることもありますので、海外取引所の中で安心して利用できる取引所の1となっています。
仮想通貨GAS(NeoGAS/ガス)の将来性は?これから価格は上がる?
記事執筆時点の仮想通貨GAS(NeoGAS/ガス)の時価総額ランキングは90位となっています。
今後のGASの時価総額ランキングは記事執筆時点から上昇していくと考えていますが、その理由を3つにまとめて説明していきます。
- 中国版イーサリアムとも呼ばれるNEO(ネオ)の将来が高い
- NEO上で動くDAppsの成長に合わせてGASの需要が高まる
- 良くも悪くもGASの価格はNEOに強い影響を受ける
中国版イーサリアムNEO(ネオ)の将来が高い
GASの将来性を見極めるためには、GASが使われるプラットフォームであるNEOについて知る必要があります。
NEOを一言で説明すると、ブロックチェーン技術とデジタルアイデンティティを使いデジタルアセット(電子資産)を管理し、スマートコントラクトを使用しそのデジタル資産の管理することができる、分散型スマートエコノミーを実現するためのプラットフォームです。
- 中国初のオープンソースブロックチェーンプロジェクト
- 個人や組織を電子形式で管理・証明するデジタルアイデンティティ
- 主流プログラム言語で開発できるスマートコントラクト
NEOは中国初のソースコードが公開されているブロックチェーンプロジェクトで、だれでもNEOのプログラムを見ることができるようになっています。
NEOの開発チームは上海を拠点としていて、CEO含め開発チームは中国人のメンバーが多いためNEOが普及しやすい市場は中国内とされています。
2018年6月時点で世界の企業時価総額ランキングでアリババは7位やテンセント6位となっており、両社ともに売上のほとんどが中国で発生している企業です。
NEOは中国内で最も普及するスマートコントラクトコントラクトプラットフォームであると注目されており、中国市場の大きさからNEOの将来性に期待が集まっています。
またNEOのスマートコントラクトはC#、Javaなどよく使われているプログラミング言語で開発することでき、今後はCやC++、Python、Javascriptなどメジャーな言語も使えるようにしていく予定となっています。
開発者が新しいプログラミング言語を学ぶことなく、現在使っている技術をNEOのスマートコントラクト開発でも使えることもNEOの普及を後押しする大きな特徴となっています。
NEOは開発がしやすく中国内でもっとも普及する可能性を持っているため、将来性が高いと考えられています。
筆者が書いたものではありませんがNEOの将来性について詳しく解説している記事が当サイトにありますので、ぜひこちらも読んでみてください。
NEO上で動くDAppsの成長に合わせて需要が高まる
NEOが普及し、そのプラットフォーム上でGASが頻繁に取引されるためにはNEO上で動くDApps(分散型アプリ)が増えていく必要があります。

NEO dApp Listより引用
記事執筆時点でNEOプラットフォーム上で60以上のDAppsが公開されています。
その中には分散型の取引所(DEX)や、クラウドファンディングサービス、チケット予約、予測市場、広告管理・配信、IoT、個人間宅配便サービスなど多岐にわたります。
また2018年初めから記事執筆時点までにNEO上のDAppsは倍以上に増えています。
イーサリアム上で動くDAppsは1000以上ですので、NEOはDAppsプラットフォームとしてイーサリアムとの差が大きいですが、今後のNEOの開発が進むにつれてNEOで動くDAppsも加速度的に増えていくと考えています。
DAppsが増えていけばNEOのトークンであるGASの使用頻度が上がり、GASそのものへの需要も増していきます。
良くも悪くもGASの価格はNEOに強い影響を受ける
GASとNEOは同じNEOプラットフォームで使われる仮想通貨ですので、NEOプラットフォーム自体の期待や需要に強い影響を受けます。

CoinMarketCapより引用
上の画像は2017年11月から2018年7月までのGASとNEOの価格の推移です。
細かい差はありますがほとんど同じような価格推移を示しています。
DAppsも発展途上でGAS自体の使いみちが限られていることからGASの価格変動はNEOと連動するようになっています。
これには良い面と悪い面があり、良い面はNEOの動きを見ながらGASの短期売買ができることです。
GASの価格はNEOの価格変動に合わせて後を追うように推移することが多いため、NEOの値動きを見ながらGASの売買をすることで売買益を狙える可能性があります。
そして悪い面はGASを保有するメリットが少ないことです。
後述しますが、NEOの保有者にはGASの配当やNEOネットワークの管理権が与えられるため、現時点で長期保有するならばGASよりNEOのほうがメリットがあります。
ここまで話したようにNEOの将来性は高く、そのプラットフォーム上で使われるNEOとGASの時価総額ランキングも記事執筆時点より上昇していくと考えていますが、GASを保有するメリットがNEOより小さいことが懸念される点となっています。
仮想通貨GAS(NeoGAS/ガス)とはどんなコイン?
AntcoinsからGASへ名称変更
NEOは2017年7月にAntShares(アントシェアーズ)からNEOへとリブランディングを実施し、同時に燃料トークンのAntcoins(アントコインズ)もGASへと名称変更を行っています。
GASの最大発行枚数は1億枚
GASと最大発行枚数はNEOと同じ1億枚となっています。
2017年7月から2018年8月までの1年間で16%分のGASを発行し、その後3年間で全体の52%まで発行、合計22年間で1億枚が発行される予定となっています。
また1ブロック生成毎に8GASずつ発行され、NEO保有者に分配されます。
1年毎に1GASずつ発行量が減少し、8年目に1ブロック生成毎に1GAS発行となります。
GASとNEOの用途の違い
GASとNEOはNEOプラットフォームでの用途に違いがあります。
NEOの用途
- NEOネットワークパラメータ変更などネットワークを管理する権利
- 代表としてブロック生成する人を決めるための投票
GASの用途
- NEOネットワーク管理のための燃料トークン
- ブロック生成者へのインセンティブ
コンセンサスアルゴリズムはDBFT
NEOはDBFT(Delegated Byzantine Fault Tolerant)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
DBFTを意訳すると代理投票によるビザンティン耐障害性コンセンサスアルゴリズムとなりますが、その仕組みはNEOトークン保有者が投票してNEOブロックチェーンに帳簿するブックキーパーを選び、選ばれたブックキーパーが新しいブロックを生成するというものです。
ブックキーパーの中からランダムで1人のブックキーパーが選ばれ、そのブックキーパーが生成したブロックをその他のブックキーパーのうち66%以上が合意すれば、ブロックチェーンに生成したブロックが追加されます。
上記のシステムで15秒から20秒毎にブックキーパーがランダムで選ばれ実行されることで、NEOブロックチェーンは新しいブロック生成しています。
GASとNEOの比較
NEO(ネオ) | GAS(ガス) | |
通貨単位 | NEO | GAS |
最小単位 | 1 | 0.00000001 |
最大発行枚数 | 1億NEO | 1億GAS |
流通枚数(2018/7/27) | 約6,500NEO | 約1,719GAS |
公開日 | 2016年10月 | 2017年7月 |
GASの配当がされない仮想通貨取引所
記事執筆時点でNEO保有しているとGASの配当がある取引所と配当がない取引所があります。
取引所名 | GAS配当 |
OKEx | なし |
Binance | あり(月毎に配当) |
Huobi | なし |
Kucoin | あり(月毎に配当) |
Gate.io | なし |
DragonEX | なし |
Bitbns | なし |
Poloniex | なし |
Coinnest | あり(週毎に配当) |
仮想通貨GAS(NeoGAS/ガス)の良い点(メリット)
中国政府からの支援などプラスの影響を受ける
中国政府は中国国内でのICOや仮想通貨取引所の運営、法定通貨と仮想通貨間の取引などを2017年9月から禁止しています。
しかし政府が展開する第13次5カ年計画ではブロックチェーン技術は基礎研究を強化していく技術の1つに選ばれ、また中国人民銀行やアリババはブロックチェーン技術関連の特許出願数が世界トップとなっています。
アリババやテンセントなど世界時価総額でトップ10に入るような企業を生み出したのも、中国政府による外国ネット企業参入の制限や海外ウェブサイトの閲覧制限の結果、中国内のネット企業が大きく成長しました。
筆者は今後中国政府はブロックチェーン関連の規制を国内企業限定で緩くしていき、ネット産業と同じようにブロックチェーン産業を成長させていく準備を進めていくと考えています。
そしてNEOはデジタルアイデンティティという個人や組織のデータや証明をブロックチェーンで管理できる特徴を備えているため、行政機関の使用なども考えられます。
2017年9月の政府によりICO全面禁止発表前にNEO代表へ事前に相談があったことなどから、中国政府とNEOにはそのような相談がある程度のパイプがあります。
今後中国内の特区でのNEOの実験的使用などのニュースがあればNEOとGASの価格は上昇すると考えられます。
発行枚数がNEOの約4分の1と発行枚数が少ない
NEOの発行枚数は約6500万枚に対し、GASの発行枚数は約1700万枚と発行枚数が少なくなっています。
記事執筆時点で1NEO=33ドル、1GAS=10ドルとなっていますが、GASのほうが発行されるスピードが早いため今の価格レートのまま推移するとGASの時価総額はNEOより上がりやすくなります。
時価総額が上がることと1枚あたりの単価が上がることには直接的なつながりませんが、時価総額ランキングが上がれば注目度も上がりますので、NEOより発行枚数が少ないことはGASの価格上昇にとってメリットとなります。
懸念されていた中央集権的なノード運営が解消されつつある
NEO評議会がNEOトークンの約50%を管理していることや、生成されたブロックを承認するコンセンサスノードが評議会が選出した7つのみで実質的にはNEO自身がコンセンサスノードを保有していることなど、NEO運営の中央集権的な側面が懸念されていました。
しかし2018年7月に「NEOは非中央集権の時代に突入した」と財団から非中央集権化宣言の発表があり、オランダの大手電気通信企業や国際的なオープンソース開発組織、中国の投資会社などが新しくコンセンサスノードとして選出されました。
NEO財団は2019年にはすべてのコンセンサスノードを選挙により選出することを予定しているため、NEOの最大の懸念のひとつであった中央集権的な運営が解消されつつあります。
仮想通貨GAS(NeoGAS/ガス)の悪い点(デメリット)
中国政府の方針によってはマイナスの影響を受ける
中国政府が発表している仮想通貨プロジェクトランキングの第3弾ではEOSが1位、イーサリアムが2位、そしてNEOが3位となっています。
このランキングは中国政府、民間企業、教育機関の専門家たちにより、プロジェクトの技術を重視して格付けされています。
決して悪い順位ではありませんが、機能が似ているプラットフォームであるEOSやイーサリアムより評価されていないことはデメリットの1つとなります。
また中国のビジネス特区である雄安新区はイーサリアムプロジェクトの開発スタジオのコンセンシスと提携しています。
NEOは中国国内での普及が期待されているため、中国政府の後押しがないないと思われたり、他の仮想通貨プロジェクトがNEOに先んじて特区で実験利用されたりすると、投資家のNEOへの期待が下がる可能性が高いと考えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
GASはNEOのプラットフォームとして成長に影響されていますが、今後NEO上で動くDAppsが増えていけばNEO上の燃料トークンであるGASの需要も上がり、いずれNEOの価格とは連動しないようになっていくかもしれません。
今後もNEOの情報を追っていきたいと思います。それでは!