柴犬のアイコンが印象的な英語圏で人気の仮想通貨Dogecoin(ドージコイン/DOGE)。
この記事ではドージコインがどのような特徴を持つ仮想通貨なのか、その将来性や購入方法まで詳しく解説していきます。
目次
Dogecoin(ドージコイン/DOGE)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
2018年7月時点でDogecoin(ドージコイン/DOGE)を購入できる国内仮想通貨取引所はありません。
以前は国内取引所のMr.ExchangeとBTCBOXで取扱いがありましたが、記事執筆時点ではドージコインは海外の取引所でしか購入できない仮想通貨となっています。
- Bittrex(ビットレックス)
- HitBTC(ヒットビーティーシー)
- Poloniex(ポロニエックス)
- Bit-Z(ビットジー)
上記4つの取引所が数ある取引所の中でもドージコインの取引高も多いオススメの取引所になりますが、その中でもPoloniexがドージコインに購入にもっともオススメできます。
Poloniexでの購入をオススメする理由

CoinGeckoより引用
ドージコインはイギリス、アメリカ、韓国の大手取引所を中心に30以上の取引所で取引されています。
記事執筆時点でドージコインの取引高が多いのはPoloniexとBit-Zとなりますが、筆者はPoloniexをオススメしています。
Bit-ZはPoloniexより取引手数料が安いですが会社名や所在地、代表者などの会社情報の一切が不明となっています。
PoloniexはBit-Zより少し手数料は高いですが、アメリカ大手企業に買収され2018年中に日本含むアジア展開を進めていく今後の成長が期待できる仮想通貨取引所となっています。
0.01%前後の手数料の差はありますが、ドージコインの購入には信用できる取引所であるPoloniexをオススメしています。
Dogecoin(ドージコイン/DOGE)の将来性は?これから価格は上がる?
Dogecoin(ドージコイン/DOGE)は記事執筆時点の時価総額ランキングは44位となっています。
ドージコインは2015年から2018年の1月時点のランキングが8位(2015)→6位(2016)→15位(2017)→30位(2018)と推移しています。
筆者はドージコインは今後時価総額ランキングで上位に返り咲くことなくこのままランキング順位を下げていくと考えていますが、その理由を3つにまとめて説明しています。
- 手数料も安くシンプルで安定している仮想通貨
- 熱狂的なコミュニティによって支えられるミームコイン
- お遊び用のネタコインであり柴犬画像以外に大きな特徴がない
手数料も安くシンプルで安定している仮想通貨
ドージコインは取引承認時間が60秒と短いため、送金が早いという特徴を持っています。
また記事執筆時点では1DOGE=約0.3円と1枚あたりの価格が安く、ビットコインが高騰したときでも送金詰まりが起こらなかったこともあり少額決済やチップなどでよく使われています。
このような特徴を持つドージコインではありますが、スマートコントラクトをはじめ様々な機能や役割を果たす仮想通貨・トークンが多い中で、ドージコインは良く言えばシンプル、悪く言えば地味に見えるかもしれません。
しかしドージコインは2013年から安定して決済に使われてきた「通貨」としての実績があります。
記事執筆時点の流通量は約1,150億枚と多く、毎年52億枚ずつ増えていくことから1枚あたりの価格も比較的安定する傾向があります。
仮想通貨を通貨として利用してきた実績があるという意味では、ドージコインは仮想通貨の中でも指折りの存在となっています。
熱狂的なコミュニティによって支えられるミームコイン
ミーム(meme)とは人々の間で模倣され広がっていく様態を表す言葉です。
とくに掲示板などインターネット上で使われるものをインターネット・ミームと呼ぶのですがドージコインの犬は2013年に英語圏の掲示板で大流行したミームでした。
ドージコインの開発者はビットコインの冗談版としてドージコインを作ったのですが、誰もが知っている柴犬のコインということで開発者達の予想を遥かに超える規模に広がりました。
とくに英語圏最大の掲示板redditでは一時はすべてのredditユーザーがドージコインを持っているのではないかと言われるくらいドージコインが普及し、チップとして送金に使われたりreddit内での売買に利用されていました。

twitterより引用
また2018年6月にはDogeconと呼ばれるDOGEコミュニティの会議兼お祭りがカナダのバンクーバーで開催されました。
大きな会議場で開催されていますがコスプレしてる人がいたり、真ん中にはto the moonをイメージしたロケットが置かれていたりとDogecoinコミュニティらしさが見られます。
仮想通貨全体の中での注目度やランキングは下がってきているとは言え、ドージコインを支える熱量の高いコミュニティと認知度の高さはドージコインのもっとも大きな利点になっています。
お遊び用のネタコインであり柴犬画像以外に大きな特徴がない
開発者のひとりであるジャック・パーマー氏はドージコインについてのインタビューで下記のように語っています。
「仮想通貨は問題を解決するためのツールです。」
(インタビュアー)ドージコインはどのような問題を解決しましたか?
「ドージコインが何かを解決するとは考えられない。」
「何かあるとすればドージコインは(仮想通貨)教育で使われるツールとしてならありうるかもしれません。しかしそのような使われ方を私は真剣に考えているわけではありません。」
「私はドージコインに自分の全財産を投入するつもりはない。なぜなら犬がコインに載っているから5億ドルの価値がついているだけにすぎないからです。」
cnet.comより引用した文を意訳
ドージコインははじまりがお遊び用のネタコインであったため、認知度が高い柴犬が載っている以外の大きな特徴、優位性がありません。
もうひとりの開発者である元IBMエンジニアのビリー・マルクス氏はドージコインを作った当時ビットコインやライトコインを隅々まで理解しているわけではなく、上限枚数や承認時間などいくつかの設定を変更して作ったと別のインタビューで答えています。
このように通貨としての利用実績も多く、柴犬の知名度の高さや熱狂的なコミュニティと優れた要素を持つと同時に、技術的な優位性はないのがドージコインであると筆者は考えています。
時価総額ランキングで上位に返り咲くことはないと思いますが、流通枚数の多さと安さから草コイン取引所での利用がされていたりと急速に利用されなくなることもないと考えています。
良くも悪くも安定している仮想通貨なのがドージコインです。
Dogecoin(ドージコイン/DOGE)とはどんなコイン?

Dogecoinの名前の由来
DogeはDogを崩したスラング的な表現で、日本語で表現すると「イッヌ」のようなイメージになります。
当時英語圏のネット掲示板で流行していた日本の柴犬(かぼすちゃん)がコインのモチーフになっており、ロゴからサイトデザインまでドージコインの象徴となっています。
ライトコインの系譜
ドージコインはライトコインからハードフォークしたラッキーコイン(※現在停止中)からさらにハードフォークして誕生した仮想通貨です。
基本的なソースコードはライトコインとほぼ同じですが、発行上限枚数や承認時間など設定が異なる点がいくつもありますので下記の項目でその違いをまとめました。
BTCとLTCとの違い
DOGE | LTC | BTC | |
コンセンサスアルゴリズム | PoW | PoW | PoW |
暗号方式 | Scrypt | Scrypt | SHA-256 |
ブロック生成時間 | 1分 | 2.5分 | 10分 |
流通枚数(記事執筆時点) | 約1150億枚 | 約5730万枚 | 約1714万枚 |
最大発行枚数 | 上限なし | 8400万枚 | 2100万枚 |
発行上限枚数なし
ドージコインの発行上限枚数は決めれておらず、60万ブロック採掘以降は1ブロック毎1万DOGEがマイニング報酬として付与されます。
記事執筆時点でのドージコインの流通量は115,184,418,545DOGE(約1150億枚)となっており、仮想通貨の中でも発行枚数が多いことが特徴となっています。
コンセンサスアルゴリズムはPoW
コンセンサスアルゴリズムと暗号方式はハードフォーク元であるライトコインと同じ仕様となっています。
暗号方式はGPUでのマイニングに耐性のあるScryptを採用しており、CPUマイニングを推奨することでマイナーが分散するようにしています。
Dogecoinの開発者
ドージコインはオーストラリア人のジャクソン・パーマー氏が発案とコインのデザインをし、元IBMエンジニアのビリー・マルクス氏が開発するという共同作業によって誕生しました。
記事執筆時点ではこの2人はドージコインの運営には関わっておらず、コミュニティによって開発が継続されています。
DOGE対応のウォレット
DOGE対応のウォレットは公式が提供しているデスクトップ型とモバイル型(Androidのみ)の2種類があります。
またハードウォレットのLedger nanoも対応していますので、自分に合った保管方法が選べます。
「月に行く/to the MOON」の語源
仮想通貨の暴騰が起こるとtwitterなどでMoooon!!などと投稿されているのを見たことがあるかもしれませんが、これはドージコインが発行された直後に300%の高騰を見て、月まで届きそうな勢いと表現されたのが始まりです。
Dogecoin(ドージコイン/DOGE)の良い点(メリット)
1枚あたりが安いため草コイントレードで重宝されている
ドージコインは時価総額が低く1枚あたりの価格が小さい、いわゆる草コインを多く取り扱う取引で基軸通貨として利用されています。
DOGEを基軸通貨として利用している代表的な取引所には草コイン界の魔境であるCryptopiaをはじめ、CoinExchangeやTradesatoshiがあります。
なぜビットコインでは草コインの基軸通貨として不十分かというと、BTCの最小単位である1satoshiより1枚の価値が低い草コインがあるためです。
記事執筆時点では1satoshi = 0.00740334円となっていますが、草コインの中には1枚あたりの価格がこれより低いものもあるため、BTCでそのような草コインを買おうとすると割高になってしまいます。
このような理由から発行枚数が1150億枚と多く、1DOGEあたりの価格が安いドージコインは草コイン取引に都合が良い仮想通貨となっています。
今後も新規発行される仮想通貨は増加し続けるため、草コイン投資が過熱するたびにドージコインの需要が増す可能性があります。
オリンピックチームへの寄付など手数料の安さを活かした実例がある
ドージコインはその送金の手軽さから寄付で使われることも多く、またドージコイン財団やコミュニティは寄付を積極的に行うことでも有名です。
ドージコインが使われた寄付でもっとも有名なものは、ソチ冬季オリンピックに出場資格がありながら資金不足でソチに行くことができないジャマイカのボブスレーチームへの寄付です。
コミュニティは5万ドルを目標に募金活動を開始し、2日目までに3万6千ドルを集めました。
またドージコイン財団はケニアに井戸を作るための募金活動を行ったりと、世界中の人からお金を集めることができるという仮想通貨の良さを活かしています。
Dogecoin(ドージコイン/DOGE)の悪い点(デメリット)
元ネタがわからないため英語圏以外では拡大しづらい
モナコインの猫が日本語圏以外には認知されていないように、ドージコインの柴犬も英語圏以外には元ネタ、ミームが伝わりづらい要素があります。
ドージコインのもっとも大きな特徴は柴犬画像であるため、英語圏以外にはその特徴が活かされないことはデメリットになります。
開発進捗イベントなど値上がりするイベントが少ない
仮想通貨の値上がりタイミングのひとつに、開発が次のステージに移行することやバージョンアップなどの進捗イベントがあります。
ドージコインは機能的には完成している仮想通貨ですので、このようなイベントがないことは投資家たちに魅力的に映らない可能性があります。
Dogecoin(ドージコイン/DOGE)の今後(ロードマップ)は?
明確な開発予定は公表されていない
ドージコインは有志のエンジニアによる開発は随時行われていますが、機能的には完成している通貨であるため積極的に開発が行われているわけではありません。
また今後の明確なロードマップや開発予定も公開されていません。
モバイルウォレットは記事執筆時点でAndroidのみとなっているため、iOS用のモバイルウォレットが今後リリースされる可能性はあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ドージコインは仮想通貨として独特なポジションを築いており、機能や性能ではなくコインそのものが愛されているという稀有な存在と言えます。
日本にも同じように愛されるモナコインがありますが、これらのような熱狂的なコミュニティによって支えられる仮想通貨は今後も長く生き残っていくのだろうなと思わされます。それでは!