MaidSafeCoin(メイドセーフコイン/MAID)は、分散型クラウドコンピューティングを開発しているイギリスのMaidSafe社が発行する仮想通貨です。
この記事ではメイドセーフコインがどのような特徴を持つ仮想通貨でありプロジェクトなのか、その将来性や購入方法まで詳しく解説していきます。
目次
MaidSafeCoin(MAID)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
2018年6月時点でMaidSafeCoin(メイドセーフコイン/MAID)を購入できる国内の仮想通貨取引所はありません。
メイドセーフコインが購入可能な海外の仮想通貨取引所は記事執筆時点でHitBTCとクリプトピア、Poloniexの3つですが、オススメはPoloniexになります。
Poloniexでの購入をオススメする理由

CoinGeckoより引用
上の画像のとおりメイドセーフコインの多くがイギリスの取引所HitBTCで取引されています。
しかし2018年6月にHitBTCは日本居住者へのサービス停止を発表しているため、消去法ではありますがPoloniexでの購入をオススメしています。
Poloniexはアメリカの老舗取引所で100種類近くの仮想通貨を取り扱っています。
また手数料が0.15%〜0.25%と取引所の中では安い部類に入ります。
Poloniexはメイドセーフコインの取引高こそHitBTCより低いものの、Poloniexはメイドセーフコインを取り出すときの送金手数料がHitBTCより安いというメリットもあります。
また400億円でアメリカ大手企業に買収され、2018年には日本含むアジア展開を進めていくPoloniexは、今後の成長が期待できる仮想通貨取引所となっています。
MaidSafeCoin(MAID)の将来性は?これから価格は上がる?

MaidSafeCoin(メイドセーフコイン/MAID)は2018年1月時点では80位、4月時点は88位、記事執筆時点では時価総額ランキング71位とメイドセーフコインの時価総額は上昇傾向にあります。
開発中の分散型クラウドコンピューティング(以下、分散型クラウド)が実現したときの影響力は大きいと理解していますが、筆者はメイドセーフコインの価格や時価総額の上昇に期待を寄せることは難しくまた今後の予測も立てづらいと考えています。
その理由をメイドセーフコインの仕組みの説明も交えながら、3つにまとめて解説していきます。
- プライバシー保護と安全性に優れた分散型クラウド
- 専用ブラウザなどアプリ開発が進んでいる
- すでに4年開発しており開発期間が長期化している
プライバシー保護と安全性に優れた分散型クラウド
MaidSafeはパソコンのハードディスクやCPUなど使っていないコンピューターリソースをP2P(個人間)につなぎ合わせ、大規模な分散型クラウドの実現を目的に開発されています。
MaidSafeが特徴的なのはパソコンのHDDだけ、CPUだけ、帯域幅だけという特化した分散型クラウドの仮想通貨プロジェクトが多い中、MaidSafeはそのすべてを使用して分散型のインターネットプラットフォームを作り上げようとしている点です。
イメージのしやすさ優先で非常に簡単に説明すると、MaidSafeは分散型のdropboxとAWS(アマゾン運営のクラウドサーバー)とauひかり(ネット回線)を開発するプロジェクトになります。
MaidSafeがこのようなP2Pで分散化されたクラウドシステムを開発している理由は、現在のインターネットサービスは安全ではない上に個人情報も流出していることを大きな問題として捉えているからです。
約8000万人の個人情報が流出し大統領選に利用されたとして大問題となったFacebookの個人情報流出。
gmailの追加機能をインストールしたとき場合によっては追加機能の開発者がメールの中身を読めてしまうなどの管理者からのプライバシー侵害。
そしてサービスがハッキングされ預けていたデータが消えてしまう安全性の問題など、現在の中央管理型のインターネットサービスが抱えている問題をMaidSafeは重要視し、それらを解決するため安全でプライバシーが保護された分散型インターネットプラットフォームを開発しています。
専用ブラウザなどアプリ開発が進んでいてる
上述したようにMaidSafeは分散型のインターネットプラットフォームであるため、その上にDApps(分散型アプリケーション)を構築することができます。
現在開発が完了しているアプリは「ブラウザ」「メール」「ホスティング」「コメントプラグイン」「ファイル管理アプリ」で、開発中なのが「ドキュメント作成アプリ」「アプリストア」「サイト作成ツール」になります。
MaidSafeはインターネットプラットフォームであるため、完成したとしてもその上で稼働するDAppsがないと使いみちがほとんどありません。
ですのでMaidSafeはコミュニティ内のエンジニア達向けの奨励プログラムを実施しており、第三者の開発者がMaidSafeを使うきっかけを作っています。
プラットフォーム開発と平行してDApps開発がなされていることはMaidSafeの良い特徴の1つです。
すでに4年開発しており開発期間が長期化している
MaidSafeはその構想の巨大さゆえに開発が長期化しています。
MaidSafeCoinは2014年4月にリリースされましたが、記事執筆ですでに丸4年経過しています。
開発計画は4段階に分かれており現在は2段階目の開発をおこなっており、4段階目が開発が完了する予定年月は未発表となっています。
しかしMaidSafe開発チームは定期的に開発進捗報告をコミュニティに投稿しており、その投稿へのコメントにも返信しています。
また筆者の観測範囲での話になりますが、コミュニティ内の投稿を見ていても開発の遅れを問題視している投稿があまり見られませんでした。
むしろ「完成すればインパクトの大きいビッグプロジェクトなのだからじっくりやろう!」や、「私はMaidSafeに未来を信じている。MAIDに出会えて幸運だ!」などのようなポジティブな意見が多数を占めているように感じました。
筆者は開発の遅れや長期化はMaidSafeの一番大きな懸念点であり、当初の予定していた開発内容では実現が厳しくそのために開発が遅れている可能性も十分あると考えています。
しかしコミュニティやredditなどの掲示板などでは雰囲気が悪くなっていないため、現時点ではMaidSafeCoinが今後どうなるかはまったくわからないというのが筆者の考えとなります。
MaidSafeCoin(MAID)とはどんなコイン?
MaidSafeCoinの名前の由来
MaidはMassive Array of Internet Disksの頭文字で意訳するとネットで繋がれたDBの大規模な仕組みになります。
SafeはSecure Access For Everyoneの頭文字ですべての人のための安全なネット接続というような意味になります。
両方を繋げると「ネットで繋がれたDBの大規模な仕組み」による「すべての人のための安全なネット接続」です。
最大発行枚数は100億枚
MaidSafeCoinの最大発行枚数は100億MAIDで、記事執筆時点の流通量452,552,412MAIDになります。
MAIDはOmni(オムニ)トークン
あまり聞いたことはないと思いますが、MAIDはOmniブロックチェーン上で発行されたOmniトークンです。
Omniはビットコイン2.0プロジェクトの中でオリジナルトークンを発行できるもっとも古い仮想通貨になります。
コンセンサスアルゴリズムはPoR
コンセンサスアルゴリズムはProof of Resourceを採用しており、パソコンの空きリソースを提供した人にランダムで報酬が付与される仕組みとなっています。
MaidSafeではこれを「ファーミング(耕作)」と呼び、ファーミングする人を「ファーマー」と呼称しています。
MAID対応ウォレット
Omni専用のOmni Wallet(オムニウォレット)か、Coinpayments(コインペイメンツ)はMAIDの保管ができるウォレットになります。
コインペイメンツは日本語対応をしているため初めての方でも使いやすいかもしれません。
MaidSafeCoin(MAID)の良い点(メリット)
データは分割と暗号化してさらに分散して保存される
MaidSafeにデータを送受信、保存する際には、データは細かく分割された上で暗号化し内容をわからなくします。
さらにその分割され暗号化されたデータをP2Pでネットワーク化されたパソコンに分散して保存します。
こうすることで例えばネットワークにつながったパソコンがハッキング攻撃を受けて保存していたデータが流出してしまったとしても、細切れで解読できないデータのため実害がない仕組みとなっています。
コミュニティ向けの定期的な開発進捗報告がある
MaidSafeCoinは掲示板タイプのコミュニティ専用サイトが用意されており、日々何かしらのトピックが投稿され、わからない点を質問したり雑談したりしています。
MaidSafe開発チームは月に1度の割合で定期的に開発進捗を報告するブログを投稿しています。
そのブログはこの専用サイトにも投稿されるのですが、進捗報告についての質問がコミュニティ内から投稿されるとMaidSafe開発チームはその質問に回答しています。
このような対応をする開発チームは珍しく、このような誠実な対応は開発チームに信頼感を与えています。
MaidSafe上のアプリ開発者向け奨励プログラムがある
MaidSafeにはプラットフォーム上で稼働するDAppsを開発するエンジニアやチームに資金援助やノウハウ提供などの援助をする奨励プログラムがあります。
コミュニティ内でコンペなども行っていて優秀なチームにロードマップ毎に資金援助を行ったりしているようです。
MaidSafeCoin(MAID)の悪い点(デメリット)
開発チームはマーケティングに熱心ではない
この場合のマーケティングとはMaidSafeの知名度や価格を上げるための施策を指しています。
仮想通貨市場ではイベント毎に期待感から価格が上がることがありますが、MaidSafeは詳細なロードマップを公開していないためアップデート時や新機能リリースなどのタイミングで価格が上がることは稀です。
また公式テレグラムは記事執筆で1600人程度と時価総額ランキングの順位のわりには少なく、twitterアカウントでは中央管理型インターネットサービスにまつわる記事のリツイートが多かったりとSNSの使い方もうまいとは言えません。
MaidSafeは開発期間も長くイベントも少なく何もしなければ目立たないプロジェクトですので、今後価格を上げていくためにはマーケティングへの注力が必須と考えられます。
CentCoinの仕組みがネズミ講に近い
CentCoin(セントコイン)というMaidSafe社とウォレットを提供しているCoinpayments社の関連会社(らしい)CCP社が発行する社債のようなものがあります。
セントコインの特徴は下記の通りです。
- CCP社の社債である
- セントコインの売買で利益を得られる
- すでに会員となっている人からしか購入できない
- 紹介した会員の購入金額のうち何割かが紹介者に与えられる
- 日利は最大5%で投資金額は1〜2ヶ月で回収可能
おわかりの通りネズミ講やMLMと同じスキームとなっていて非常に怪しいです。
またCCP社の住所が秘書箱になっていたりとペーパーカンパニーなのではないかという疑惑もあり、なぜこのような会社とMaidSafe社が関わりを持っているのかはよくわかりませんが、セントコインの購入はオススメできませんのでご注意ください。
2つの大手取引所で上場廃止になった過去がある
MaidSafeCoinはアメリカ大手の取引所Bittrexと韓国大手のBittumb(ビッサム)から上場廃止になった過去を持っています。
開発チームのブログによるとアジア地域の大手取引所で上場ができるよう動いているとのことですが、アメリカと韓国という仮想通貨の大きな市場の取引所に今後しばらくは上場できないだろうことは大きなマイナスになります。
日本語で情報が得られるコミュニティがない
MaidSafeは公式日本語コミュニティがなく、また解説している記事はもちろん最新ニュースも日本語ではあまり手に入らない状況となっています。
MaidSafe社はスコットランドにあるため英語がわかる人であれば情報に困ることはありませんが、英語は苦手という人にはMaidSafeCoinの情報を集めるのは難しいかもしれません。
これは仮想通貨投資市場でもっとも大きい市場である日本の資金が流入しづらいことにつながると考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
MaidSafeCoin(メイドセーフコイン/MAID)はパソコンの空きリソースをP2Pで繋げて分散型のインターネットプラットフォームを作る壮大なプロジェクトということがおわかり頂けたでしょうか。
日本ではあまり大きな話題にはなりませんが、政府や大企業が個人情報を悪用や流出をすることへの危機感を持っている海外の人は少なくありません。
MaidSafe以外にも分散型サービスのプロジェクトは多いですが、共通しているのは中央集権型への危機感です。
MaidSafeのコミュニティにはそういう危機感を持つエンジニアも多く参加していますので、将来イーサリアムのような強い技術者コミュニティに成長している可能性もあります。
MaidSafeCoinを保有するかどうかは現時点で不明瞭な点があるため筆者は控えますが、今後の開発やマーケティングの進捗によって意見が変わる可能性があります。
今後もMadeSafeCoinの情報を追っていきたいと思います。それでは!