仮想通貨Enigma(エニグマ/ENG)は、投資ファンドを作れる「Catalyst(カタリスト)」が稼働していたり、データを暗号化した状態で利用できるプラットフォームを作っていたりと注目されている仮想通貨プロジェクトです。
この記事ではEnigmaがどのような特徴を持つ仮想通貨なのか、その将来性や購入方法まで詳しく解説していきます。
目次
仮想通貨Enigmaを購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
2018年6月時点でEnigma(エニグマ/ENG)を購入できる国内の仮想通貨取引所はありません。
Enigmaが購入可能な海外の仮想通貨取引所の中で、Enigmaを購入するのに適した取引所はこの3つです。
- <海外> Binance(バイナンス)
- <海外> Upbit(アップビット)
- <海外> Huobi(フオビ)
これらの仮想通貨取引所の中で、BinanceがEnigmaの購入に最適と考えています。
Binance(バイナンス)での購入をオススメする理由

CoinGeckoより引用
ENGはBinanceやBittrex、Huobi、Upbitなどの取引所で売買が可能ですが、とくにBinanceがENGの購入にオススメできる理由は3つあります。
- ENGの取引高が世界一で流動性が高い
- 手数料が0.1%と安い(BNBを使えば0.05%)
- 使いやすい管理画面
Binanceは取引所のオリジナルトークンであるBNBを使って取引すれば手数料が0.05%ととても安くなり、短期的な売買にも向いている取引所です。
まだBinanceのアカウントを作っていない方は下のボタンからBinanceの公式サイトをご覧になってみてください。
仮想通貨Enigma(エニグマ/ENG)の将来性は?これから価格は上がる?
仮想通貨Enigma(エニグマ/ENG)は記事執筆時点で時価総額は102位となっています。
筆者はEnigmaはその技術的な難解さや誤解から過小評価されていると考えています。
Enigmaは短期的な急上昇は見られないかもしれませんが、長期的には時価総額ランキングが上がってくると考えています。
その理由を3つにまとめて解説していきます。
- 処理速度と秘匿性を備えたシークレットコントラクト
- プライバシー性の高いデータを売買できるマーケットプレイス
- Enigmaプロトコルを活用した製品がリリース済み
処理速度と秘匿性を備えたシークレットコントラクト
イーサリアムを代表とするスマートコントラクトには主に2つの問題点があります。
- スケーラビリティ問題≒実装速度が遅い
- プライバシー問題≒データが丸見え
Enigmaのシークレットコントラクト(プライバシーコントラクト)はこの2つの問題を解決します。
スケーラビリティ問題の解決
Enigmaではブロックチェーン上(オンチェーン)と、ブロックチェーン外(オフチェーン)で実行する内容が異なります。
- オンチェーン上:オフチェーンで実行された演算の検証作業を行う
- オフチェーン上:各ノードが暗号化されたデータを演算
ブロックチェーン上ですべてのデータを保存したり、演算を行おうとすると容量不足や実行処理の遅延などの問題が発生します。
Enigmaではデータ保存や演算処理をオフチェーン上で行い、その演算結果の検証や取引履歴の保存のみをオンチェーン上で行うことでスケーラビリティ問題が発生しないようにしています。
プライバシー問題の解決
Enigmaではオンチェーン上の情報は公開し、オフチェーン上の情報は公開しない設計になっています。
- 公開データ:取引履歴/演算式/検証結果etc..
- 非公開データ:個人情報/ファイル情報/演算式内の値etc..
Enigmaが非公開としているデータはすべて暗号化され、断片化した状態でストレージに保存されています。
特徴的なのはオフチェーン上で演算するとき、暗号化されたデータのまま演算し、演算の依頼者や実行者には演算の結果のみ渡されデータの中身を見ることができない仕組みを採用していることです。
オンチェーン上では取引履歴など見られても問題ないトランザクションのみが実行されます。
Enigmaはオンチェーンとオフチェーンを使い分けることでスケーラビリティ問題とプライバシー問題を解決しています。
プライバシー性の高いデータを売買できるマーケットプレイス
Enigmaの成り立たせるための重要な仕組みが「Enigma Data Marketplace(エニグマ・データ・マーケットプレイス)」です。
データマーケットプレイスは様々な事業者や個人から個人情報や遺伝子情報、購入履歴、投資履歴などのデータを集め、その集まったデータを使って統計を出したりマーケティングに活用したりできるプラットフォームです。
このようなプラットフォームで重要なのはデータの安全性と秘匿性が保証されているかということです。
Enigmaではデータを暗号化した上でさらに、各ストレージに断片化した暗号データを分散して保存することで安全性と秘匿性を確保しています。
そしてデータを暗号化したまま演算に活用できたり、データ利用権利の売買ができることがEnigma最大の特徴であり、それを実現するためのものがデータマーケットプレイスになります。
Enigmaは医療やAIなど様々な分野に応用できる
ここまででシークレットコントラクトとデータマーケットプレイスを説明していきましたが、Enigmaの将来性がイメージしやすいよう活用例をいくつか挙げていきたいと思います。
- 遺伝子解析
- 医療データ解析
- 与信評価
- IoT
- 投資アルゴリズム開発
- 年齢認証/個人認証
投薬歴、病歴、症状や患者の状態などの医療データはプライバシーの問題の高さから、そのデータを共有して活用することはほとんどできていません。
しかし数多くの医療データを活用することで新薬開発やAI医療の進展、また流行している病気の統計データを活用して医薬品の生産調整が効率的に行える可能性があります。
またクレジットカードの使用履歴や借り入れ履歴などのデータを活用し、与信評価をより高い精度行える可能性があります。
そしてEnigmaを使用して仮想通貨取引のための投資アルゴリズム開発が可能なサービス「Catalyst(カタリスト)」がベータ版としてリリースされています。
CatalystではPoloniexやBitfinexなどの仮想通貨取引所内で行われている取引データを活用して、より収益性の高い投資アルゴリズム開発を行うことができます。
そのアルゴリズムをもとにトレーディングBOT(自動投資売買ツール)を作ることもでき、そのBOTに投資を任せたいという人が集まればBOT開発者はCatalyst上で投資ファンドも作れます。
これのみでも十分ICOで資金が集まるプロジェクトですが、CatalystはEnigmaを活用したアプリケーションのひとつに過ぎません。
Enigmaが実現することで医療、金融、マーケティングなど様々な分野でこれまでにないビックデータ活用の事例が生まれてくると考えられており、そのインパクトは計り知れません。
仮想通貨Enigma(エニグマ/ENG)とはどんなコイン?
Enigmaの名前の由来は「暗号」
Enigmaは「謎、なぞなぞ、パズル」などを意味する単語です。
また第二次世界大戦時にドイツ軍が用いていた暗号機の名前がエニグマで、「暗号機エニグマへの挑戦」という映画もあるほど有名です。
仮想通貨Enigmaはデータを暗号化しプライバシーが保護された状態で第三者が演算や統計データを触れるプロトコルですので、「謎」「暗号」という意味のエニグマと名付けた考えられます。
最大供給量は1億5千ENG
Enigmaの最大供給量は150,000,000(1億5千)ENGとなっています。
また記事執筆時点では74,836,171ENGが発行済となっていて、最大供給量のおよそ半分にあたります。
ENGはERC20規格のトークン
ENGはイーサリアムのERC20の規格に基づいて作られたトークンです。
2020年にEnigmaは独自ブロックチェーンへの移行が予定されていて、その際に現ENGは独自ブロックチェーンで新しく発行する新ENGと交換されるか、そのままにするかは現在検討中となっています。
Enigmaトークン(ENG)の用途
ENGはEnigma経済圏で下記のような用途で使用されます。
- 演算を行うためのマスターノードになるためのデポジット
- データマーケットプレイスでの売買
- データ保管をする端末への報酬
- 計算力を提供する端末への報酬
①のデポジットについて簡単に説明します。
Enigmaを使って演算を行うためにはマスターノードになる必要があり、そのマスターノードが悪さをするとデポジットとして預けていたENGが没収される仕組みになっています。
ICOの実施で48億円を調達
2017年に行われたICOで4,500万ドル(約48億円)を調達しています。
デジタルカレンシーグループというアメリカのブロックチェーン特化のベンチャーキャピタルがEnigmaに出資していることなど注目度が高かったこともあり、約50億円と十分な資金を調達できています。
ウォレットはマイイーサウォレット推奨
ENGはERC20トークンですので対応するオンラインウォレット、ハードウォレットは多くあります。
その中でもマイイーサウォレット(MEW)は信頼と実績がありますので、Enigma(ENG)の保管にオススメです。
仮想通貨Enigma(エニグマ/ENG)の良い点(メリット)
創業メンバーがMIT出身者で構成されている

Enigma公式サイトより引用
Enigmaの創業者たちはアメリカの名門大学であるマサチューセッツ工科大学(MIT)出身者で構成されています。
Enigma自体がもともとMITで行われていた実験がベースとなっているためこのようなメンバー構成になっています。
シークレットコントラクトやデータマーケットプレイスの実現のためには最先端の暗号技術を取り入れる必要があるのですが、MITが情報工学のトップランナーであることと無関係ではありません。
Enigmaには制限付き準同型暗号という暗号化したまま統計計算や認証を可能にする手法が使われていますが、この論文が公開されたのは2012年と最近のことになります。
例えばMoneroで使わているリング署名という暗号手法は2001年に論文が公開されましたが、Moneroの公開は2014年のため論文公開から13年経ってから使用されています。
単純に早ければ良いというものでもありませんが、最先端の暗号技術を理解し取り入れることができる開発チームであることはEnigmaの大きなメリットです。
開発スケジュールを前倒しで進めている
Enigmaは仮想通貨プロジェクトとしては大変珍しいことに開発ロードマップを前倒しで進めています。
もともとの計画に余裕がありすぎたという可能性も少しはありますが、ICOを実施したプロジェクトの中には開発期間を短くしたり、開発内容を盛ったりとロードマップを良く見せようとするところもあるので、Enigmaはその点でも誠実であると言えます。
今後のロードマップについては後述します。
仮想通貨Enigma(エニグマ/ENG)の悪い点(デメリット)
公式サイトがハッキングされた過去あり
2017年にEnigma公式サイトがハッキングされ、公式サイト上から詐欺サイトへ誘導するリンクが掲載される事件がありました。
公式サイトがハッキング被害を受けたことは、Enigma開発チームの技術力にほとんど関係はありませんがEnigmaトークンを購入しようと考えている人にとってプラスになる情報ではありません。
仮想通貨Enigma(エニグマ/ENG)の今後は?
シークレットコントラクト1.0実装
2018年第3四半期にシークレットコントラクト1.0がリリースされる予定です。
制限付きではありますが本番稼働となるため、Enigmaの実質的な始動タイミングと言えます。
サードパーティの分散型アプリケーションが開始される
2018年第4四半期にサードパーティが開発運営する分散型アプリケーションがリリースされます。
前述したCatalystはEnigma開発チームが開発しているため、外部のチームが開発するアプリがEnigmaプロトコルを使って展開されるのはこのときが初めてとなります。
独自のエニグマチェーンをリリース
2020年中に他のネットワークから独立したEnigmaチェーンをリリース予定となっています。
このときENGトークンをERC20規格からEnigmaチェーン上で新規発行した新ENGと交換するかは、記事執筆時点では未定となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Enigmaは「開発陣が優秀で」「応用できる分野が広く」「スマートコントラクトの問題点を解決している」という褒められるべき点が多いのが特徴ですが、時価総額は記事執筆時点では大きくありません。
筆者はEnigmaは過小評価されている考えていますので、シークレットコントラクト実装前後あたりからまた注目を集め時価総額ランキングを上げていくのではないかと考えています。
またイーサリアムより優れていることを特徴としている仮想通貨プロジェクトも多いですが、イーサリアムの最大の特徴は優秀で豊富な開発者とそのコミュニティの存在ですので、それイーサリアムが対応したら特徴なくなってしまうのではないか?というものもあります。
Enigmaはイーサリアムが追加実装できない領域を開発しているため、その点でも優れていると筆者は見ています。
あとがきが長くなってしまいましたが、Enigmaは技術的に難しい話が多く、またCatalystが目立つせいで仮想通貨投資BOTが開発できるプロジェクトと誤解されていることもある不憫な仮想通貨プロジェクトです。
今後どうなるかは実際のところわかりませんが、筆者としてはEnigmaは期待しかできないプロジェクトです。
ぜひEnigmaの保有を検討してみてください。それでは!