ビットコインやイーサリアムの送金詰まりや取引承認の遅延など、いわゆるスケーラビリティ問題は決済として使われるために解決していかなければならない課題として有名です。
Zilliqa(ジリカ/ZIL)はそのスケーラビリティ問題を解決する仮想通貨として注目され始めています。
この記事ではZilliqaがどのような特徴を持つ仮想通貨なのか、その将来性や購入方法まで詳しく解説していきます。
目次
Zilliqa(ジリカ/ZIL)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
2018年5月時点でZilliqa(ジリカ/ZIL)を購入できる国内の仮想通貨取引所はありません。
Zilliqaが購入可能な海外の仮想通貨取引所の中で、Zilliqaを購入するのに適した取引所はこの4つです。
- 〈海外〉Binance(バイナンス)
- 〈海外〉Upbit(アップビット)
- 〈海外〉Bithumb(ビットサム)
- 〈海外〉Huobi(フオビ)
これらの仮想通貨取引所の中でBinanceがZilliqaの購入に最適と考えています。
Binanceでの購入をオススメする理由

CoinGeckoから引用
ZilliqaはBinance、Upbit、Bithumb、Huobiの取引所で主に取引されていますが、この中でとくにBinance(バイナンス)がZilliqaの購入にオススメできる理由は3つあります。
- 基本の手数料は0.1%だが独自トークンの使用で0.05%に
- ZILの取引高がもっとも多く流動性が高い
- 日本語対応はしていないが管理画面が使いやすい
Binanceは取引所のオリジナルトークンのBinance coin(BNB)を使って売買すればmaker/taker手数料が0.05%と半額になりますので、短期間に多く売買したい際にも使える取引所になります。
またBinanceはZilliqa以外にも将来有望なアルトコインが多く上場しています。
まだBinanceのアカウントを作っていない方は下のボタンからBinanceの公式サイトをご覧になってみてください。
Zilliqa(ジリカ/ZIL)の将来性は?これから価格は上がる?

Zilliqa(ジリカ/ZIL)は2018年1月にHuobiに上場してからバイナンスには同年3月に上場し、記事執筆時点の2018年5月22日時点の時価総額ランキングは25位となっています。
仮想通貨全体が下落傾向にあった2018年1月〜4月の期間に時価総額も倍以上に伸ばしています。
筆者はZilliqaの将来性は非常に高く、2018年中に時価総額ランキング15位以内に入ると考えていますが、その理由を3つにまとめて解説していきます。
- スケーラビリティ問題を解決する仮想通貨
- 並列処理を可能にする「シャーディング」
- 処理能力が向上した新しいスマートコントラクト
スケーラビリティ問題を解決する仮想通貨
送金の遅延や処理速度低下、送金手数料の高騰などの問題が起きてしまう仮想通貨のスケーラビリティ問題は、参加者が増えるにつれて深刻になっています。
Zilliqaはそのようなスケーラビリティ問題を解決することに特化した仮想通貨です。
Zilliqaは次世代ハイスループットブロックチェーンプラットフォームと呼ばれ、トランザクションの高速処理が可能なプラットフォームとして幅広い利用が期待されています。
3,600ノードを使用したテストネット上での数値では1秒間で2,488トランザクションの処理を記録しています。
ビットコインが秒間6〜7トランザクション、イーサリアムが秒間15トランザクションと比べるとZilliqaの処理速度は160倍〜400倍となっています。
秒間2,488件の処理速度はクレジットカードに匹敵するものですので、日常の決済でも十分使用できる性能をZilliqaは持ち合わせています。
「商品を渡して代金をもらう」など分割できない一連の処理単位をトランザクションと呼びます。
並列処理を可能にする「シャーディング」
Zilliqaの高い処理能力の根幹となっているのは「シャーディング」と呼ばれる技術です。
ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨はすべてのトランザクションをすべてのノード(マイニングをするコンピューター)が総当たりで取引承認のための検証作業を行っています。
シャーディングはトランザクションを分割し、分割されたトランザクションにノードを振り分けて検証作業を効率化する方法です。
これだけでは少しわかりづらいので、図を見ながら説明していきます。
下の図は100トランザクション(TX)があるときに、4つのノードそれぞれがその100トランザクションすべてを検証しているイメージになります。

この図ではノードは4つですが、イーサリアムではノード数が20,000以上ありますので、実に2万ノードが同時に同じトランザクションの検証作業を行っていることになります。
この仕組みではノード数が増えれば増えるほど処理能力が遅くなってしまいます。

シャーディングはシャード(shard=欠片)と呼ばれるトランザクションを細かく分割するところから始まります。
上の図では100トランザクションが4つに分割されています。
そして4つに分割されたトランザクションに対して、ノードが振り分けられます。
このノードは25トランザクションの検証作業のみを行うため、シャーディング前と比べて400%効率化されていることになります。
この例ではだいぶ簡略化してシャーディングを説明しましたが 、シャーディングはトランザクションとノードを分割して役割分担させる技術だと言えます。
例では4つのノードでしたが、これを20のノードに増やすと1つのノードあたり5トランザクションの検証作業で済むためさらに効率化されます。
Zilliqa開発チームは分割するノード群を増やせば比例的に処理速度が向上すると想定していて、イーサリアムと同じ2万ノードの場合は秒間約1万5000件以上のトランザクション処理速度に達すると予想しています。
処理能力が向上した新しいスマートコントラクト
Zilliqaではシャーディング技術に最適化されたスマートコントラクトである「データフロースマートコントラクト」が開発されています。
イーサリアムに代表されるスマートコントラクトは、ブロックチェーン上にアプリケーション(DApp)を構築できる技術ですが、すべてのノードが同じ計算(検証)を行う仕組みのため、命令を実行する処理速度が遅いという問題があります。
Zilliqaのデータフロースマートコントラクトは、シャーディング技術とデータフロープログラミングのモデルを参考にすることで、複数の命令を同時に実行できるようになっています。
今後DAppが増えていくと、送金より処理が重いスマートコントラクトの処理の遅延、ネットワーク全体の速度低下などが大きな問題となっていくことが予想されています。
データフロースマートコントラクトを搭載するZilliqaは、この問題を解決する次世代スマートコントラクトプラットフォームと言えます。
Zilliqaはスケーラビリティ問題の解決に特化したハイスループットプラットフォームで、スマートコントラクトも利用できるため幅広く使用される可能性があります。
2018年中のメインネットへの公開が予定されているため、それまでどのように進化していくか、さらに期待が増していくのか。
その将来が非常に楽しみな仮想通貨です。
Zilliqa(ジリカ/ZIL)とはどんなコイン?

- 公開日は2017年11月6日
- ICOで約200万ドル調達
- 通貨単位はZIL
- ZilliqaはERC20トークン
- 最大供給量は126億ZIL
- ウォレットはマイイーサウォレット推奨
ICOで約200万ドル調達
2017年にICOを実施し、約200万ドル(約2億1000万円)を調達しています。
ICOは成功に終わっていますが、2017年後半に行ったICOにしては調達額は少なめとなっています。
またICO時より1ZILあたりの単価は約34倍となっていますので、2017年のICOの中でもリターンがトップレベルに大きいプロジェクトでした。
ZilliqaはERC20トークン
Zilliqaの通貨(トークン)であるZILはイーサリアムブロックチェーン上で稼働するERC20トークンのひとつです。
これは暫定的なもので、2018年中のメインネットへの公開と合わせて公式ウォレットがリリースされます。
その際に本来のZILと現在のERC20トークンのZILが交換できるようになります。
最大供給量は126億ZIL
ZILの最大供給量は12,600,000,000ZIL(126億ZIL)となっています。
記事執筆時点では約70億ZILが発行済となっています。
ウォレットはマイイーサウォレット推奨
ZILはERC20トークンの1つであるためウォレットはお馴染みのマイイーサウォレット(MEW)がオススメです。
2018年中にZilliqa公式ウォレットがリリースされる予定となっています。
Zilliqa(ジリカ/ZIL)の良い点(メリット)
電気代が安く効率的なマイニングが可能に
シャーディング技術は処理速度向上の副産物として効率的なマイニングも可能とします。
今までは総当たりですべてのノードがトランザクションの計算を行っていましたが、分割されたトランザクション分だけを計算するだけで良くなったため、結果として無駄な計算をすることが減ります。
その分使用する電気代も安くなり、エコでもあるのがZilliqa(ジリカ/ZIL)の特徴です。
仮想通貨にはスケーラビリティ問題だけではなく、マイニングに使われる電気使用量が多すぎるということも問題視されています。
例えばビットコインはトランザクション毎にVISAクレジットカードの2万倍もの電気代が掛かると言われています。
またビットコインは約160カ国の国が使用する電気量よりも多く電気を使用しています。
もしビットコイン国という国があれば電気使用量ランキングで上から46位前後になります。
このようにネットワークを維持するための膨大な電気使用量を減らせるZilliqaは、仮想通貨の環境問題の側面からも支持を得られる可能性があります。
シンガポール国立大学の研究チームと共同開発
Zilliqa開発チームはシンガポール国立大学の研究チームと共同でZilliqaを開発しています。
またZilliqaは同大学から多くの人材を集めています。
これはZilliqa創設者のXinshu Dong氏が同大学の卒業生であり、共同創設者のArmit Kumar氏もシンガポール国立大学の博士研究員だからという理由があります。
シンガポール大学は大学ランキングで世界で12位、アジアでは1位の名門大学です。
Zilliqaは優秀な人材が集まる同大学に太いパイプを持っており、同大学からの人材獲得がしやすいことは開発チームの拡大に非常に役立ちます。
開発進捗が良くコミット数は仮想通貨中第8位

CryptoMisoより引用
記事執筆時点から直近3ヵ月間のZilliqa開発の進捗は非常に良く、Github上での開発進捗であるコミット数が仮想通貨全体で第8位となっています。
後述しますが2018年中に公式ウォレットやメインネット公開など矢継ぎ早にリリースが控えています。
シャーディングやデータフロースマートコントラクトなどアイデアが優れているだけではなく、開発の実装力もあるチームだということがわかります。
Zilliqa(ジリカ/ZIL)の悪い点(デメリット)
スマートコントラクトプラットフォームは競合が多い
スマートコントラクトプラットフォームであるZilliqa(ジリカ/ZIL)の競合は多く、EtherumやNEO、Waves、EOS、BitShares、LiskなどZilliqaと競合になるプラットフォームが時価総額ランキング上位にはひしめき合っています。
Zilliqaは処理速度が非常に速いデータフロースマートコントラクトを開発しているとは言え、これはスケーラビリティ問題の解決に特化した特徴のひとつです。
先程挙げたスマートコントラクトプラットフォームにも、それぞれ強みとなる特徴を備えています。
強い競合が多い中でZilliqaが消費者や開発者に選ばれ続けるプラットフォームになることは並大抵のことではありません。
トランザクション処理能力を上げることが普遍化すると強みが減少
イーサリアムはライデンネットワークやプラズマの導入などスケーラビリティ問題の解決策を実行しようと準備していますが、イーサリアムはシャーディングも取り入れる可能性があります。
シャーディングはセキュリティ上の前提としてプルーフ・オブ・ステーク(PoS)が必須であり、記事執筆時点ではプルーフ・オブ・ワーク(PoW)であるイーサリアムはPoS移行後にシャーディングを実装すると考えられます。
またスケーラビリティ問題の解決はほぼすべての仮想通貨の課題ですので、イーサリアム以外でもそれぞれが処理速度向上のための解決策を実行している状況です。
Zilliqaはイーサリアムと同じ2万ノードの場合、トランザクションの処理速度が秒間1万5千件に及ぶと開発チームは予想しています。
これはVISAのトランザクション処理速度の2倍〜3倍という素晴らしい数値です。
しかし2019年までには秒間数千件の処理ができることが普通になり、2020年までには秒間数十万件の処理が可能な仮想通貨も稼働し始めると考えられます。
そしてスケーラビリティ問題の解決に特化したZilliqaは他のプラットフォームが高速化した際に強みがなくなる、または減少するのではないかと考えています。
始まったばかりのプロジェクトなのに時価総額が高い
2018年1月にHuobiに初上場してから記事執筆時点のわずか4ヵ月弱で、Zilliqaは時価総額25位まで上り詰めています。
Zilliqaは開発進捗が良く開発陣の技術力も高い上に、仮想通貨界で大きな課題となっているスケーラビリティ問題の解決に特化しているとは言え、まだテスト段階でICOから1年も経ってないプロジェクトです。
それにも関わらず短期間で時価総額ランキングで25位となっているのは、その高い期待のあらわれだと思いますがさすがに上がり過ぎという見方もあります。
しかし2018年9月までにメインネット公開の予定ですので仕込むなら良い時期ではあるので、まだ上がる可能性は大いにあります。
Zilliqa(ジリカ/ZIL)の今後は?
2018年中にメインネットローンチ

Zilliqa公式提供スライドより引用
Zilliqa(ジリカ/ZIL)は2018年中にデータフロースマートコントラクトのアルファ版とベータ版のリリースと、テストネット上での試験を終えてメインネットがリリースが予定されています。
これだけでも結構な作業量だと思いますが、これに付け加えてイーサリアムのスマートコントラクト開発言語であるSolidity(ソリディティ)で書かれたコードを変換するコンパイラを開発予定となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Zilliqa(ジリカ/ZIL)はハイスループットブロックチェーンプラットフォームというスケーラビリティ問題の解決をいち早く実現する仮想通貨になるのではないかと期待されています。
短期間で急上昇したためどこかで調整が入る可能性はありますが時価総額ランキング15位以内まではサクサクと上がっていくだろうと考えています。
DAppsや送金が増えるにつれてスケーラビリティ問題の話題も増えてくると思いますので、Zilliqa含めてスケーラビリティ問題の解決策を実行する仮想通貨の情報を追っていきたいと考えています。それでは!