日常で当たり前に使える仮想通貨を目指して開発されているArk(アーク)。
異なるブロックチェーンを繋げるスマートブリッジと呼ばれる機能を備えていることや、Lisk(リスク)からのフォークコインであることでも知られています。
この記事ではArkがどのような特徴を持つ仮想通貨なのか、その将来性や購入方法まで詳しく解説していきます。
目次
仮想通貨Ark(アーク)を購入するならどの【取引所・販売所】が良い?
2018年5月時点でArk(アーク)を購入できる国内の仮想通貨取引所はありません。
Arkが購入可能な海外の仮想通貨取引所の中で、購入するのに適した取引所はこの3つです。
〈海外〉Binance(バイナンス)
〈海外〉Upbit(アップビット)
〈海外〉Bittrex(ビットレックス)
これらの仮想通貨取引所の中でBinanceがArkの購入に最適と考えています。
Binanceでの購入をオススメする理由

CoinGeckoより引用
Binanceは記事執筆時点でArkの取引高が最も多く、手数料もBittrexより安いため、Arkを売買するならBinanceで決まりです。
Bittrexのほうも口座開設しておくと、どちらかの取引所で問題があったときArkを逃がすための緊急避難先として使えます。
BinanceはArk以外にも将来有望なアルトコインが上場していますので、アルトコイン投資や草コイン購入を検討されている方は必ずアカウントを持っておきたい仮想通貨取引所です。
仮想通貨Ark(アーク)の将来性は?これから価格は上がる?
Ark(アーク)の時価総額ランキングは記事執筆時点で60位となっています。
2017年9月頃は20〜25位あたりにいましたので、徐々にランキングを落としている傾向が見られます。
筆者はArk自体は魅力的なプロジェクトで開発も早くはないがきちんとしているので高評価ですが、時価総額ランキングは今後さほど上がらないのではないかと考えていますが、その理由を3つにまとめて説明していきます。
- Arkは実用的に使える仮想通貨を目指している
- 異なるブロックチェーンに接続出来るスマートブリッジ
- 類似したプラットフォームの競合が増えているため独自性は低い
Arkは実用的に使える仮想通貨を目指している

Arkホワイトペーパーより引用
Arkはホワイトペーパーの表紙に「A Platform for Consumer Adoption(消費者に選ばれるプラットフォーム)」と銘打たれています。
Arkはブロック生成時間が8秒と取引が高速であったり、匿名性機能を持っているためプライバシーの保護がされていたり、将来的にはカードで決済できるようにしたりと日常の決済で利用しやすいような性能や機能を目指して開発されています。
ApplePayなどスマホ端末のみでクレジットカード決済することも普通になってきましたが、物理的なカードがあると一般消費者に受け入れられる可能性が上がります。
異なるブロックチェーンに接続出来るスマートブリッジ
Arkには異なるブロックチェーン間を繋ぐ「Smart Bridge(スマートブリッジ)」と呼ばれる機能があります。
この機能があることでArkは他のアルトコインとは違った立ち位置の仮想通貨となっています。
スマートブリッジでは例えば「ARKを1枚使い、Arkのスマートブリッジからイーサリアムでスマートコントラクトを実行する」ことや、「LiskとイーサリアムをまたいだスマートコントラクトをArkスマートブリッジを通して実行する」などが可能になります。

Ark公式ブログより引用
Arkのスマートブリッジは様々な仮想通貨、アルトコインが乱立し相互に接続されていない不便な状態を、スマートブリッジによって相互に接続し簡単に使えるようにします。
これはサービスを利用する側も便利になりますが、イーサリアムなどのプラットフォーム/仮想通貨側もネットワーク拡大という恩恵を受けます。
類似したプラットフォームの競合が増えているため独自性は低い
増え続けるアルトコインやプラットフォーム、トークンの問題は多くの人が認識しているため、Arkと類似したプロジェクトも出てきています。
例えば中国発のWanchainも異なるブロックチェーンを繋ぐプラットフォームとしてはArkの競合となる存在です。
その他Cosmosや日本では富士通研究所が似たようなプロジェクトを行っていたりします。
Arkのような実際にユーザーが触れるポジションはビジネス的に有望なので、アルトコインが増え続ける限り類似コンセプトのポジションはこれからも増え続けると考えられます。
このような状況の中で、Arkが勝ち残っていけるかは現段階では疑問です。
技術力ももちろん必要ですが、異なるブロックチェーン同士を繋げるには各仮想通貨のコミュニティ、開発の協力が必要になるため、Arkのマーケティング力や交渉力が必要になっていきます。

Ark公式サイトより引用
この画像は記事執筆時点のArkのスマートブリッジのパートナー契約の進捗率を表したものです。
後述しますがArkは進捗状況がわかりやすいのが特徴です。
現状ではほとんどパートナー契約が進んでいないため、Arkのスマートブリッジが使われていくのかどうか不明瞭です。
筆者としてはArkのプロジェクト自体は有望と見ていますが、このような理由からArkの時価総額ランキング自体はさほど上がっていかないと考えています。
しかし長期的に見るとわかりませんので、定期的に情報をチェックし大きな提携などがあるタイミングや開発が次のステージに移るタイミングで仕込んでいきたいと考えています。
仮想通貨Ark(アーク)とはどんなコイン?

- 通貨単位はARK
- 公開日は2016年10月15日
- 発行枚数は約1億3千ARK
- ブロック生成時間は8秒間毎
- コンセンサスアルゴリズムはDPoS
- Arkには3種類の公式ウォレットがある
最大発行枚数は約1億3千ARK
ARKの最大発行枚数は126,574,546枚です。
Liskからフォークしたコインですが、Liskが発行枚数に上限を設けていないのに対し、Arkでは上限がある点がLiskと異なっています。
コンセンサスアルゴリズムはDPoS
ArkのコンセンサスアルゴリズムはDPoS(Delegated Proof of Stake)が採用されています。
「Delegated」は「委任された、選任された」という意味です。
ArkではArk保有者の投票により51人のブロック生成を行う人(または企業)が選ばれます。
そして選任されたその51人が順番にブロック生成を行います。
PoWやPoSのように誰でも参加できるものではないため、ブロック生成時間が8秒という短時間を可能にしています。
DPoSはダニエル・ラリマー氏によって発明され、彼が創設したSTEEMやBitSharesでも採用され、Liskはそれらを参考にDPoSを導入しています。
イーサリアムやLiskとの違い
ETH | LISK | ARK | |
最大供給量 | 上限なし | 上限なし | 約1億3千ARK |
アルゴリズム | PoW→PoS | DPoS(101人) | DPoS(51人) |
ブロック生成時間 | 15秒毎 | 10秒毎 | 8秒毎 |
減少期 | なし | あり | あり |
匿名性 | なし | なし | あり |
ArkはLiskからのフォークコインだけあってLiskと類似した箇所が多くなっています。
Liskと違い最大供給量を設定しているのは、インフレ率を抑える目的があります。
またわずか2秒ではありますが、Liskよりブロック生成時間、つまり取引承認時間が速くなっています。
Arkには3種類の公式ウォレットがある
Arkにはペーパーウォレットとスマホ用ウォレット、そしてデスクトップ用ウォレットの3種類が公式ウォレットとして提供されています。
少額であっても取引所に預け続けるのはリスクがあるため、公式から複数の保管手段が用意されているのは助かります。
また公式提供のものではないですが「Ledger Nano S」というハードウェアウォレットでもARKが保管可能となっています。
仮想通貨Ark(アーク)の良い点(メリット)
Arkには競合はおらず将来のパートナーしかいない
これはArkの創設者が話していたArkのメリットです。
スマートブリッジによりすべての仮想通貨、プラットフォームを繋げるArkにとっては自分以外の仮想通貨プロジェクトとは将来Arkのスマートブリッジを導入してくれるかもしれないパートナー、取引先であると。
前述しましたArkと類似したWanchainやCosmosもスマートブリッジを導入するパートナー候補となります。
そういう意味ではたしかにArkには競合はいないということになり、唯一無二のポジションなのかもしれません。
LiskのDPoSを引き継ぐだけではなく改良している
ArkはLiskのフォークコインなのでコンセンサスアルゴリズムもLiskと同じDPoSを採用しています。
しかしLiskとまったく同じではありません。
変えている点を挙げていくとまず選任される人数が101人から51人になっています。
DPoSは比較的に新しいアルゴリズムであるため、取引を承認する人数がどれくらいが良いのかはDPoSを採用しているプロジェクト毎に調整されています。
投票する人が候補者を選びやすくなること、選任された人が十分な収益を得られるようになることを目的に51人に変更されています。
取引承認時間は10秒から8秒に変更されています。
2秒の差ですが取引承認時間の短さは送金の速さに繋がります。
LiskのDPoSを引き継ぐだけではなくArkに合うように改良している点は評価できる点になります。
複数言語での開発が可能になる
ArkはLiskからのフォークコインですのでjavascriptで記述されています。
Liskの特徴のひとつが、広く普及しているプログラミング言語であるjavascriptで第三者が開発できることで開発者を呼び込めるセールスポイントとなっています。
しかしArkでは合計18種類のプログラミング言語で開発できるようになる予定です。
18種類もあると知らないプログラミング言語も見受けられます。
これだけの数のプログラミング言語をサポートしていると開発者にとってArkを触る際のハードルは下がることになります。
開発者をArkに呼び込みやすいという点で18種類のプログラミングで開発できるということはメリットになります。
ロードマップや現在の進捗がわかりやすく安心できる
Arkは公式サイト上でロードマップを公開しているだけではなく、現在の進捗状況が全体から見てどのくらいまで進んでいるのかを可視化しています。

Ark公式サイトより引用
このような取り組みをしているプロジェクトは少ないため、ARK保有者や開発パートナーなどにとってArkの開発体制や進捗に安心感を与えています。
仮想通貨Ark(アーク)の悪い点(デメリット)
ARK自体の価格変動リスクを解消できていない
Arkは消費者から選ばれる日常で実用的に使われる仮想通貨を目指していますが、ARK自体の価格変動が激しく安定して使えるようになるにはまだまだ時間が掛かりそうです。
これは仮想通貨全体に言えることでもあるのでArk特有の問題ではありませんが、実用的に使うために価格の安定は必須条件です。
しかし投機的に考えると変動率が大きいほうが良かったりもすることもあるのでARK保有者にとってはデメリットではないかもしれません。
仮想通貨Ark(アーク)の今後は?
コア開発の継続で処理速度やスケーラビリティの向上
ARK CORE version2の開発はテスト段階に入っているため、2018年夏までにはリリースされる見込みとなっています。
version1の書き換えで処理速度やスケーラビリティの向上のほか、スマートコントラクト実装のための準備などがversion2で行われる予定です。
仮想マシンの開発でスマートコントラクトの実装へ
イーサリアムのようなスマートコントラクトを実装する上で欠かせないのが仮想マシンの開発です。
こちらは記事執筆時点で進捗率70%となっているため、2018年中には完成すると考えられます。
複数のプログラミング言語での開発を可能に
ARKの特徴の1つである複数プログラミング言語での開発の進捗は93%となっています。
18言語中14言語は完成しているため、2018年夏頃には完成すると考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
Ark(アーク)は他のアルトコインをまとめて使えるようにするプラットフォームとして、そのプロジェクト自体は大変魅力的ですが開発とパートナー契約はまだまだな状況です。
その結果注目度が下がりジワジワと時価総額ランキングの順位を落としている状況です。
2018年はコア開発の完了などArkにとって大きく前進する年になりそうですが、他の仮想通貨プロジェクトと比べて大きなインパクトを残せるものではないため、その影響は限定的だと考えられます。
最初にお伝えしました通りArkは今後時価総額ランキングがさほど上がらず、50位〜80位あたりで停滞すると考えています。
今後開発や提携の進捗によってこの考えは変わる可能性もありますので、引き続きArkの情報を追っていきたいと思います。それでは!